パゾリーニ映画祭実効委員会 発行
発行年記載無 1999年発行と推定
約23x19x0.8cm
94ページ
ソフトカバー
本文青紫色のモノクロ
※絶版
本書は、1999年に高知県立美術館ホールで開催された
「パゾリーニ映画祭 ― その詩と映像」に関連して制作された
公式プログラム/記録冊子/図録本/パンフレット。
長編全14作品を網羅し、各作品のデータ・解説・パゾリーニの言葉の邦訳、
パゾリーニをめぐる小論、パゾリーニ略年譜を収録。
日本におけるパゾリーニ再評価の重要な時期を伝える、大変貴重な資料本。
パゾリーニ映画祭 その詩と映像
1999年04月30日[金] - 1999年05月05日[水]
イタリアの映画監督、ピエル・パオロ・パゾリーニ
謎の死から24年、その全貌が初めて明かされる長編全14作品、一挙ニュープリント上映!
上映日:1999年4月30日(金)~5月5日(水・祝)/会場:高知県立美術館ホール
主催:高知県立美術館(高知県文化財団)
後援:高知新聞社・RKC高知放送・テレビ高知・NHK高知放送局・エフエム高知・KSSさんさんテレビ
助成:(財)地域創造(ジャンボ宝くじ助成事業)
「今世紀後半にイタリア語で書いた最大の詩人」(アルベルト・モラヴィア)
「映像を撮るたびにスキャンダルを起こすというのは、すごい才能なんだよ」(大島渚)
「パゾリーニは、記号学よりもさらに先に行こうとしているようだ」(ジル・ドゥルーズ)
ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-1975)は、豊かな歴史を誇るイタリア映画史の中でもひときわ異彩を放つ存在です。映画監督としてのキャリア以前に、詩人や小説家として活躍し、小説「生命ある若者」などで高い評価を得ました。1950年代より、映画の脚本もてがけ、ローマの貧しい人々を描いた『アッカトーネ』(1961)で監督デビューすると、その鮮烈なイメージでー挙に映画監督として有名になりました。ネオレアリズモの伝統を踏まえつつ、対象を詩的次元から捉えようとする、彼のたぐいまれな映像詩は、性、宗教(神話)、歴史(社会)といったテーマを大胆に切断/構築し、一作ごとにセンセーションを巻き起こしました。パゾリーニは1975年に『ソドムの市』を発表後、撲殺されます。
日本では、彼の死後その映画がスクリーンで見られることはほとんどありませんでした。スキャンダラスなテーマのみが話題となり、映画表現の新しさや質の高さが論じられなかったことがその大きな理由の一つでしょう。死後20年以上がたった今、パゾリーニをこうした視点から解放する絶好の機会が訪れます。今回は長篇全作品14本を上映して、パゾリーニの業績を回顧し、謎に包まれた彼の全体像を探ります。
【目次】
<パゾリーニは語る>
私の好きな映画(田中千世子 訳)
灰燼の詩(四方田犬彦 訳)
文学そして状況(和田忠彦 訳)
<上映作品解説>
アッカトーネ
マンマ・ローマ
ロゴパグ
愛の集会
奇跡の丘
大きな鳥と小さな鳥
アポロンの地獄
テオレマ
豚小屋
王女メディア
デカメロン
カンタベリー物語
アラビアンナイト
ソドムの市
<パゾリーニをめぐって>
パゾリーニの歩み(柳澤一博)
パゾリーニと戦後イタリア(田之倉稔)
パゾリーニの眼差し(四方田犬彦)
《詩》、現実を拒絶するもの(和田忠彦)
そのほかの映画作品(江口浩)
日本語主要参考文献(西村安弘・濱田尚孝)
略年譜(田中千世子)
【上映作品(例として一部掲載)】
アッカトーネ/Accattone
1961年/白黒/スタンタード/35mm/117分
製作会社:アルコ・フィルム(ローマ)、チーノ・デル・ドゥーガ(ローマ)
製作:アルフレード・ビーニ 脚本・監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ 台詞協力:セルジョ・チッティ
撮影監督:トニーノ・デッリ・コッリ 美術設定:フラヴィオ・モゲリーニ 音楽監修:カルロ・ルスティケッリ 編集:ニーノ・バラッリ
出演:フランコ・チッティ、フランカ・バスット、シルヴァーナ・コルシーニ、パオラ・グイーディ
パゾリーニの記念すべきデビュー作。同性愛行為での告発、教職停止、共産党除名の失意の中で、カザルサからローマに母とともに移住したパゾリーニは、セルジョ・チッティを通じて、下層階級の人々に触れることになる。 プロレタリアートにさえなりきれない彼らのいらだちに益れた生活を描いた「希望のない悲劇」。
奇跡の丘/Il Vangelo secondo Matteo
1964年/白黒/ヴィスタヴィジョンサイズ/35mm/137分
製作会社:アルコ・フィルム(ローマ)、リュックス・フランス映画会社(パリ)
製作:アルフレード・ビーニ 脚本・監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ 撮影監督:トニーノ・デッリ・コッリ
美術設定:ルイジ・スカッチャノーチェ 音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ 編集:ニーノ・バラッリ
出演:エンリケ・イラソキ、マルゲリータ・カルーゾ、スザンナ・パゾリーニ、マルチェッロ・モランテ、マリオ・ソクラテ、ニネット・ダヴォリ
「マタイによる福音書」に基づく、〈無神論者〉パゾリーニの「キリスト伝」で、彼がこれまでの主題とスタイルを大胆に変更した作品。神の子キリストの誕生から律法学者らによる迫害、ユダの裏切り、ゴルゴダの丘における磔刑、そして復活までを描く。出演者はみな素人で、特に年老いたマリアはパゾリーニの最愛の母スザンナが演じている。
ほか