人間国宝、加藤卓男氏のラスター彩が施された酒杯です。
淡い乳白色の素地に、独特の虹色の輝きを放つラスター彩。
光の当たり具合や見る角度によって、中央に描かれた人物絵がキラキラと表情を変えるのが魅力的な逸品です。
光の加減で全く異なる表情を見せるため、飽きることがありません。
ぜひ、その変化を手に取って、楽しんでいただけたらと思います。
価格につきましても、お気軽にご相談ください。
この貴重な機会をぜひご検討いただけますと幸いです。
近似品の参考価格150,000円です!
【作者】
加藤卓男(1917-2005年)
陶芸家
岐阜県名誉市民、多治見市名誉市民
【作品名】
ラスター彩 酒杯
【サイズ】
高さ:約4.4cm
縦×横:約5.2cm×5.2cm
【状態】
目立つ大きな傷などなく全体的に綺麗な状態です。
詳細は写真をご確認いただき、
ご不明な点がございましたらお気軽にご質問ください。
丁寧に梱包して発送させていただきます。
【付属品】
共箱 陶歴
【作家紹介】
六代加藤卓男は、古代ペルシア陶器の色彩や造形に魅力を感じ、西アジアの発掘研究を経て、ラスター彩の復元や青釉、三彩など異民族文化と日本文化の融合に成功しました。
昭和55年には宮内庁正倉院より正倉院三彩の復元制作を委託され、「三彩鼓胴」や「二彩鉢」を納入。これらの功績により、平成7年に国指定重要無形文化財保持者(人間国宝) に認定されました。
【ラスター彩 特徴】
1.金属的な虹色の輝き
(見る角度や光の当たり具合によって、金色、銀色、銅色、赤、緑、青など、様々な色が複雑に変化して見えます。)
2.見る角度によって変わる表情
(光の加減で全く異なる表情を見ることができます。)
3.東洋と西洋を結ぶ歴史的背景と希少性
(9世紀頃にイスラム陶器で発達した技術で、そのルーツは古代オリエントにまで遡るとも言われています。この歴史的背景と、高い技術を要することから、作品の希少性があります。)
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加藤卓男(1917年9月12日生まれ)は、岐阜県土岐郡市之倉村(現在の多治見市)で五代加藤幸兵衛の長男として生まれました。1935年に岐阜県多治見工業学校(現多治見工業高等学校)を卒業後、京都の国立陶磁器試験場陶芸科に進学します。1938年には陸軍に入隊し、1945年には広島で被爆、白血病を発症し、約10年間の闘病生活を送りました。
1956年、39歳で初めて日展に「黒地緑彩花瓶」を出品し、入選を果たします。1961年にはフィンランドの工芸美術学校に留学し、その後イランに赴き、ペルシャ陶器の研究に力を注ぎました。また、1964年に美濃陶芸協会が設立され、初代会長に就任します。1973年にはイランへ2ヵ月間留学し、イラン国立博物館の発掘調査にも参加しました。
1975年には、ラスター彩の研究や美濃陶芸の指導により中日文化賞を受賞。その後、1980年には宮内庁正倉院から正倉院三彩の復元制作を委託され、1983年には岐阜県の重要無形文化財に指定されました。1988年には正倉院へ三彩鼓胴(磁鼓)の復元作品を納め、紫綬褒章を受章しました。
1995年、加藤は人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定され、その功績が広く認められました。そして、2005年1月11日、87歳で逝去。彼の死後、織部賞の特別賞を受賞し、陶芸界への多大な貢献が評価されました。