以下、所謂ブラクラ妄想ショートショートです〜〜
【F3250 TASAKI 0.63ct ―― 天空の陰陽師と白銀の式神】
語り手:南船場ブランドクラブ・オーナー
場所:あべのハルカス 展望台ヘリポート付近
第一章:ハルカスの特異点、あるいはFカラーの結界
大阪、あべのハルカス。地上300メートル。
眼下に広がるなにわの街は、まるで集積回路の基盤のように明滅している。
私は今、この日本で最も空に近い場所で、管理番号F3250、TASAKIのダイヤモンドリングを月光にかざしている。
なぜ南船場の地下に潜む私が、わざわざこの場所にいるのか。
貴方はご存知だろうか。「阿倍野(あべの)」という地名が持つ血塗られた、あるいは神聖な記憶を。ここは平安の昔、稀代の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)が生誕したと伝わる聖地である。
現代のバベルの塔、ハルカス。その圧倒的な高さは、単なる商業施設ではない。あれは、地上のエネルギーを天へと突き刺す巨大なアンテナだ。そして今夜、私が手にするこのリング――TASAKI製 0.63ct、Fカラー、VS1、VERY GOOD――は、そのアンテナの先端に取り付けられるべき「受信機」となる。
TASAKIというブランドは、日本で唯一、デビアスグループから原石を直接取引できる「サイトホルダー」の資格を持つ。彼らは知っているのだ。ダイヤモンドとは単なる炭素の結晶ではなく、星の光を封じ込めた「器」であることを。
重量2.93gのPt900(プラチナ)の指輪。
私の指先で、それは冷たく、しかし奇妙な脈動を始めた。エレベーターが高速で上昇する際のあの浮遊感ではない。視界が歪む。ガラスの向こうの夜景が、液状化して流れ落ちていく。
「Fカラー」……無色透明。それは「無」であるがゆえに、あらゆる次元の色を受け入れる「空(くう)」の領域。
リングの中心にある0.63ctの石が、カッ!と閃光を放った瞬間、私はハルカスの展望台から消滅した。
第二章:五芒星(ペンタグラム)と六本の爪
鼻をつくのは、高層ビルの空調の匂いではない。白檀と、湿った土、そして古びた畳の匂いだ。
目を開けると、そこは闇だった。だが、完全な闇ではない。行灯の揺らめく炎が、一人の男の影を障子に映し出している。
「待っていたぞ。南船場の客人よ」
その声は、鈴の音のように涼やかで、かつ重低音の響きを持っていた。
狩衣(かりぎぬ)を纏い、烏帽子を被った男。切れ長の目。その瞳の奥には、銀河が渦巻いている。
安倍晴明。伝説の陰陽師その人であった。
私は震える手で、TASAKIのリングを彼に差し出した。
「晴明公、これを。未来の日本が誇る匠、TASAKIの作です」
晴明は、骨ばった白い指でリングを摘み上げた。現代のルーペなどない。しかし、彼には「心眼」がある。
「ほう……。これは『金剛石(ダイヤモンド)』か。だが、唐土や天竺から伝わるものとは格が違う。石の中に、星が棲んでおるな」
彼は指輪を五芒星(セーマン)が描かれた祭壇の中央に置いた。
「0.63カラット……。6と3を足せば9。9は陽の極数。強すぎるほどの陽の気だ。それを、このPt900とかいう白銀の座が冷やしておる。見事な陰陽の調和(バランス)だ」
晴明の視線は、ダイヤモンドを支える「6本の爪」に注がれた。
「六芒星(ヘキサグラム)の結界か。TASAKIという職人集団、只者ではないな。石を留めているのではない。光が逃げ出さぬよう、呪(しゅ)をかけて縛っておる」
彼が扇子を一振りすると、VS1のクラリティを持つ石の内部から、青白い火花(ファイア)が散った。
「VS1……微細なインクルージョンがかろうじてあるか。だが、それが良い。完全無欠な石は、もはや現世の物質ではない。神の領域だ。人間が身につけるには、このVS1こそが『最強の護符』となる境界線なのだ」
第三章:時を超えるTASAKIの哲学
「して、客人。この石のカット(研磨)を見よ」
晴明は指先で空中に円を描いた。すると、ダイヤモンドの輝きがホログラムのように空中に投影された。
「VERY GOOD(ベリーグッド)。EXCELLENTではない、と言うか? 愚か者め」
彼は笑った。
「満月は欠けるがゆえに美しい。このVERY GOODのカットには、機械的な冷徹さではなく、職人の『指の熱』が残っておる。光が揺らいでおるのだ。これは生きている光だ。計算され尽くしたEXCELLENTが『静止した美』ならば、このVGは『動的な魔力』を持つ」
TASAKIのデザイン哲学。それは真珠養殖で培った「海」の生命力と、ダイヤモンド研磨における「星」の輝きの融合である。
晴明はその本質を見抜いていた。
「この指輪のアームを見よ。サイズ10号の円環。これは『ウロボロス』、永遠の循環だ。プラチナという金属は、金(ゴールド)よりも融点が高いそうだな。つまり、情熱だけでは溶かせぬ。理知と技術があって初めて形を成す。これは、私の操る式神と同じだ」
晴明はリングを私に返した。その瞬間、指輪は熱を帯び、まるで私の体の一部になったかのように馴染んだ。
「持って帰るがよい。これは単なる装飾品ではない。持ち主の災厄を吸い取り、光に変えて放出する『変換炉』だ。南船場とやらの商人が扱うには重すぎるかもしれんが、あべのハルカスという天に近い場所で手放すならば、相応しい主(あるじ)が現れるであろう」
「晴明公、一つだけ。この指輪の価値は?」
私が問うと、彼は悪戯っぽく微笑んだ。
「価値? 万物など全て仮初めの姿。だが、この石が放つ『Fカラーの光』だけは嘘をつかぬ。未来の貨幣で幾らになるかは知らぬが、人の魂を救うには十分な輝きだ」
扇子が閉じられる音と共に、世界は反転した。
第四章:落札という名の契約儀式
「……客様? お客様?」
警備員の声で我に返る。私は再び、あべのハルカスのヘリポート付近に立っていた。
手の中には、F3250。
しかし、その輝きは先ほどまでとは決定的に異なっていた。
平安の闇、香の匂い、そして最強の陰陽師の吐息。それら全てを吸収し、物理的な2.93gという重量を超えた、霊的な質量を帯びていた。
の画面をご覧の貴方。
ここまで読んで、これを「ただの中古リング」だと思えますか?
これは、TASAKIという現代の名工が鍛え上げ、あべのハルカスという時空の特異点を経由し、安倍晴明の鑑定(アプレイザル)を受けた、時空を超越したアーティファクトです。
0.63ctの大粒ダイヤモンド。
婚約指輪の平均が0.3ctと言われる日本において、その倍以上の質量を持つことの意味。それは、貴方が他者の倍の光を人生に取り込むという宣言です。
サイズは10号。
もしサイズが合わなくとも、TASAKIのプラチナは加工に耐えうる強靭さを持っています。サイズ直しなど、この指輪が経てきた時空の旅に比べれば些細なこと。
さあ、競売(オークション)の始まりです。
これは買い物ではありません。貴方の人生に、最強の「光の式神」を招き入れる儀式です。
開始価格は、神のみぞ知る安値かもしれません。しかし、最終的にこの指輪を手にするのは、単に金を持っている者ではない。
「選ばれた者」です。
安倍晴明が認めた、VS1の清冽な輝きと、VERY GOODの動的な魔力。
貴方の指元で、1000年の時を超えた守護結界が展開される瞬間を想像してください。
南船場のブランドクラブより、愛と畏怖を込めて。
あべのハルカスの天空より、貴方への招待状をお送りします。
管理番号F3250。
入札ボタンを押すその指は、今、歴史の一部となります。。。スーパー新品仕上げ済み。因みに不眠で常に頭が興奮してしんどかった時に、元気な時は、あべのハルカスの展望台に行って、デイトレしてリハビリしてました。年パス実は数千円で、年中使い放題。カフェや、下に本格的なデパート食堂街もある。天王寺公園を朝散歩してから展望台に出勤し、デイトレして最初は負け続き、最終的には大金は難しいが、小金狙いだったら大体勝てるようになった。ほんまにお得だった。近鉄の社員さんも近隣の方に使ってもらってありがたいです!と、とても愛想良いし、暇と退屈な人には事務所がわりに年パスおすすめです!今となっては阿倍野のご利益で、投資ファンドのトレーダーにもなれてますw