シャザム/インペリアルドラッグ(ジェリーフィッシュ関連)/ジル・ソビュール(トッド・ラングレンも関わったアーティスト)~スワンダイブ(メンバーのひとりはアイドルワイルドのソングライター)といったパワーPOPと称される作品、
特にビートルズの遺伝子系のアーティスト作品のプロデュースや、はたまたマーシャル・クレンショウやマシュー・スウィートなどのツアーメンバーとして来日を果たしていたりと、
現在のパワーPOPシーンを支えてきた実力者のひとり。
前置きが長くなりましたが、本作はそんな彼のいまのところ唯一のソロ作品であり、パワーPOPの名盤でもあります。
DIG出版のパワーPOP本に紹介され(P120にて掲載)、音楽誌「ストレンジデイズ」での「ビートルズの遺伝子特集」にも大きく取り上げられた名盤(2000年10月号 P111にて掲載。P96には3頁にわたってインタビューも)。
彼のビートルズへの尊敬と愛情、そして、模倣を超えた音へのこだわりがぎっしり詰まっていて、歌声は少しジョン・レノン似であり、
フックの効いたメロディラインや、ビートルズを彷彿とさせるフレーズなども要所要所でちらりと。
もう1曲目のイントロからビートルズの♪ゲッティン・ベター なリフで始まったと思ったら、そこからジョン似の声&メロディ展開で、
アウトロでは♪We can work it out のような展開で閉めるという職人っぷり。
7曲目♪The Staten Island Line はまるでポール・マッカートニーがキッチンでギターを爪弾きながらできちゃった的なメロディと、ポールそっくりな歌声にただ聴き惚れてしまう、ビートリッシュな隠れた名曲。
ブートにポールの未発表曲と収録されていたら、「いいねぇ、このころのポールってやっぱり」とか納得してしまうのでは。
12曲目♪I Tried での美しくも遊び心のあるハーモニーワークにはFAB4の顔がこれまたちらり。
13曲目♪She's Looking Out A Window が無音を挟み、そのまま隠しトラック ♪Suzanne が始まるので全14曲収録。
全編通して、シンプルな楽器編成なのに、色彩豊かな音像はやはりBrad Jonesマジック。
1 .The Blunderbuss
2 .Never To Come Again
3 .Ophelia Floats Away
4 .Miss July
5 .Mary's Moving Day
6 .Goodbye
7 .The Staten Island Line
8 .Mules And Miles To Go
9 .Dig Down Deep
10 .Nicole's Been Strange
11 .My Messed Up Friend
12 .I Tried
13 .She's Looking Out A Window +隠しトラック ♪Suzanne