シンガー、アル・ジャロウは、スタジオ録音とライヴの最良の部分を組み合わせて『Tenderness』をつくり上げた。LAのスタジオに、オールスター編成のバンドのみならず、観客役としてファンや友人たちも招き入れたのである。その結果、アル・ジャロウがアルバムをつくる上では最高の環境が用意された。ジャロウは、おなじみとなった、なめらかで装飾的なヴォーカル・ラインでこたえている。ジョルジ・ベンのスタンダード「Ms que mada」のうねるようなリズム、ゴフィン&キングの「Go Away Little Girl」のセンチメンタルなフックに乗っての歌いっぷりは見事だ。