メルコの大変に珍しいプリアンプです!
あまり耳にしないブランドかと思いますが、現在は無線ルーターなどのパソコン関係の周辺機器を専門に手掛けるバッファローと言えば合点がいくかもしれません。
今でこそ、パソコン関係のイメージの強いですが、元々は真空管アンプやターンテーブルなどの高級オーディオ機器を手掛ける専門ブランドでした。
特に、砲金ターンテーブルを用いたド級の糸ドライブ式のアナログシステムであった3533や3560のリリースは当時のオーディオ業界を驚かせたと思います。
この頃になりMICROやファイナルオーディオなどの各メーカーも砲金製の糸ドライブモデルをリリースしており、三大糸ドライブブランドとしての確固たる地位を築いた事も記憶に新しいのでは?
今回、出品のお品はそんな同社の歴史をスタートさせた記念すべき第1号機の製品でした。
コンパクトかつシンプルな設計のお品でありながらも、実に優れた機能とパーツの採用も含めて実に完成度の高い意欲作でした!
ライン系統は必要最低限としたフラットアンプを採用しており、フォノ系統に重点を置いた内容は時代を感じさせますね。
特に、MMカートリッジの負荷抵抗を33/100/22K/47K/100Kと切り替えの出来るスグレモノであり、カートリッジのパフォーマンスを最大限に引き出す機能はこの当時としてはかなり画期的でしたね!
無論、プリアンプとしての機能も十分に備わっておりますので、使用において不便することは無いでしょう。
また、使用しているパーツ類には高品位なメタライズド・コンデンサーやカーボン抵抗の他、東京光音製のアッテネータータイプのボリューム・銀メッキ線などコンシューマー用としてはあまりにも高価すぎる内容にも驚きます!
使用真空管も12AX7Aが3本のみとシンプルな構成ですが、全てテレフンケンのダイヤマーク入りという贅沢な内容です。
その甲斐もあってか、雑味の無い艶感のあるサウンドは実に心地の良い物です。
情報量も結構多いようであり、細かな音のニュアンスまでもがリアルに再現されますね。
無論、S/Nにも大変に優れた物となっており、そのパフォーマンスの高さは確かな物でしょう。
CDでも決して悪くは無いのですが、やはりアナログでこそ本領を発揮するお品です。
音楽もJAZZやPOPSも決して悪くは無いのですが、クラシックや歌謡曲あたりもなかなかの再現力です!
フラットアンプのため、ライン入力ですと若干ゲインは低めですので、基本的には高能率スピーカーとの組み合わせが使いやすいかと思います。
フォノであれば通常通りのゲインが確保できると思います。
コンパクトですが、ツマミやスイッチ類はアルミ削り出しとなっており、シャーシも総アルミ製と質感は非常に高い物です。
定価は1975年に84500円と高価なお品でした。
コンディションにおきましては、目立つキズなどの使用感は感じられず大変に綺麗なお品です!
また、このモデルに多く見られる文字消えも一切見られず大変に綺麗です!
内部のC/R類もオリジナルのままであり、大変に綺麗な状態です!
入手当時、真空管は劣化が見られましたので、3本共にテレフンケンのダイヤマークにて交換しました。
新品の球ではありませんが、ゲッターも十分に残ったものですので、しばらくは大丈夫でしょう。
また、アース浮きも見られましたので、プロによる点検と簡単な手直しも行いましたので、安心です。
ガリや接触不良も一切見られず、動作・音質共に良好です!
滅多にお目にかかれない貴重品ですので、この機会にどうぞ!