
テクニクスのパッシブスピーカー「SB-F2」です。
カラーは「シルバー」。
以下の整備を施しています。
・ ネットワークの再構築
・ 配線の引換え
・ バインディングポストの交換
・ 吸音材の追加
・ ガスケットの再制作
・ パンチングメタルの塗装
ディバイディングネットワークを新規に起こしています。(写真9枚目右下)
クロスオーバー、位相特性ともにオリジナルに寄せながら、直列型ネットワークとしています。
コンデンサと抵抗器は新規用意、コイルは既存再利用です。なお、サーキットブレーカーは撤廃しています。
すべての内部配線を引き換えています。
背面のバインディングポストを、4mmバナナプラグに対応するポストに換装しています。(写真9枚目左下)
内部の吸音材として、ニードルフェルトを追加しています。
各ドライバーを保持するフォーム製ガスケットを、新たにフェルト製で作り直しています。
前面パンチングメタルの発錆除去、および再塗装を施しています。
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キャビネット外装は、片方の天面に塗装の劣化が見受けられます。(写真7枚目)
擦り傷は少なめ。細かい打痕があります。また、わかりづらいですがテープを貼っていた跡のようなものがあります。
底面にフェルト製シートを貼っています。(写真6枚目)
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テクニクス謹製ブックシェルフ型2ウェイシステム。70年代後半発売のヴィンテージスピーカーです。
エンクロージャーはアルミ鋳造製で、ミニサイズながら十分な質量があります。
密閉型のため低音の量感は望めませんが、同じ大きさの木製筐体より容積があること、またコーン型ドライバーがしなやかで、そこそこ下まで伸びてくれます。
整備は主に劣化部の補修と音質改善です。
コンデンサの容量変化でかなり強調されていた高域を抑制。さらに18dB/octのLPFを12dB/oct相当に変更し、直列コイルをひとつ撤去してミッドローの鳴動を改善。
これらの回路の変更を、位相特性をオリジナルに近づけながら自然なクロスオーバーとするため、直列型ネットワークを採用しています。
そのほか、朽ちていたガスケットの代用の製作、発錆の除去と錆止め塗装などをしています。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/密閉型
・ 寸法:138W x 254H x 157D mm
・ 重量:3.3kg
・ インピーダンス:6Ω
・ 出力音圧Lv:88dB/W/m
・ クロスオーバー:3.5kHz (本機は3.2kHz付近)