【1】概要
・1950~60年代のSiemensの民生用(家庭用)コンソールに使用されていた15cm×26cm口径フルレンジユニットを25mm厚のパインによる後面部分開放型エンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
・画像9にしめしますMeistersuper RD10 Stereo ステレオコンソール、あるいは高級ラジオに使用されていたユニットです。
・低音から高音までバランスの取れた素晴らしい音と思います。・ユニットはKlangfilmなどの業務用ではなく民生用のコンソールに採用されていたユニットですので、音は柔らかく広帯域再生が可能な家庭用として優れたシステムになっていると思います。
・Telefunken、Graetzの18cm×26cmが究極のフルレンジと思っていましたが、このSiemensのフルレンジはそれらに負けない素晴らしい音と感じました。
・1950~80年代のJAZZ, クラシックが水を得た魚の様に生き生きと再現されます。
【2】システム
・口径:15×26cm
・コーン:超軽量、フィクスドエッジ
・マグネット:馬蹄形アルニコ
・状態:良好
・インピーダンス:4オーム
【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型
・このユニットの能力を最大発揮させる方式です。
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きく、かつ柔らかい音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行21.0cm
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフル、裏板は針葉樹系プライウッドです。
・パインは節の無いA級グレード品です。
・天然木の響きは最高です。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのウォールナットオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出しが接続可能です。またバナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプター付きです。
【4】音
・以下の感想は主観ですのでご承知おきください。
・能率が高く生き生きした美音です。
・ナットアダレイの傑作CD「THE OLD COUNTRY」は演奏も録音も最高です。
・トランペットとアルトサックスの生々しい咆哮をよく表現します。
・ウッドベースのラインも良く出ます。
・1950年代録音のマイルスデイビスの「スティーミン」では、トランペット、テナーサックスが良く前に出てきてハードバップの神髄を聴くことが出来ます。
・またポールチェンバースのウッドベースが強力にリズムを刻みこのCDの価値を高めています。
・高品質録音、好演奏のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・フィリックス・アーヨの「四季」は落ち着いた弦の響きが素晴らしいです。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。
・名盤、名録音のSACD「モーツアルト、クラリネット協奏曲K.622」を聴きました。
・ふくよかな木管の響きが美しく再現されていると思います。
・総じてアコースティックな音楽の再生に最適なスピーカーシステムと思います。
【5】測定結果
・周波数特性測定結果を示します。
・左右個別に同じスィープ信号で測定
・スィープ:20~20000Hz
・左右の特性、能率は揃っています。
・65~15000Hzの帯域を再生可能と読めます。
・当時のフルレンジユニット特性としては非常に優秀です。
【6】ほか
・スタンドは含みません。
・マンスリーマガジン
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_439101.html