フェラーリ・275は、イタリアの自動車メーカーのフェラーリが一連の250GT系の後継車種として生産したロードスポーツカーである。
それまで市販されていたフェラーリのロードカーがレースカーをベースに作られていたのに対し、
最初からロードカー/グランドツアラーとして設計されているため、格段に遮音・断熱などが向上し快適に運転ができるようになった。
275の全シリーズで総生産台数は約950台と推定されている。
275GTB/4
シリンダーブロックはSOHCモデルと同じでボア×ストロークも変更がないながら新設計のシリンダーヘッドを採用し、
フェラーリのロードカーとしては初の4カム(DOHC)、かつドライサンプエンジンを採用した。
バルブアングルはSOHCモデルの57度から54度へと狭められ、吸排気効率の向上と燃焼効率向上に寄与している。
キャブレターは6基のウェーバー・ダウンドラフト40DCN-17ツインチョーク。
圧縮比は9.8で最高出力は300PS/8,000rpm、最大トルクは30.0kg/6,000rpmで、パワーバンドも広くなり扱いやすくなった。
ギア比は1-5速が3.076-2.119-1.572-1.250-1.038へと変更された。最終減速比は変わらず3.555のままだが、
最高回転数が上がったため最高速度は発表値で268km/hへと向上した。
ボディは前期型に比べ約90mm長いロングノーズで、前期型に比べ小さめのグリルの両脇にバンパーを咥えたような造形になった。
高くなったエアクリーナーをクリアするためボンネット上にバルジが設けられた。
またリアウインドーが前期型より広く採られ、トランクのヒンジ部分が外部に出ている。タイヤは205HR14に変更された。
1968年のパリサロンで365GTB/4が発表され、その生産を終えた。生産台数は350台ほどといわれる。
駆動方式 | FR |
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パワートレイン |
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エンジン | 3,285cc水冷60度V12DOHC |
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変速機 | 5MT |
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前 | ダブルウィッシュボーン+コイル |
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後 | ダブルウィッシュボーン+コイル |
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車両寸法 |
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ホイールベース | 2,400mm |
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全長 | 4,325mm |
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全幅 | 1,725mm |
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全高 | 1,245mm |
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車両重量 | 1,100kg |
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系譜 |
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先代 | 275 |
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後継 | 365GTB/4 |
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