カラヤン指揮
バイロイト祝祭管弦楽団 /
ワーグナー;
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲
バイロイト復興の歓喜と興奮を伝える
記念碑的名演!
ボーナス・トラック;
『トリスタンとイゾルデ』
ニルソン、
ヴィントガッセン、
ホッター、ほか
カラヤン指揮
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ARKADIAレーベル盤
イタリア・プレス盤
破滅的な世界大戦が終結して6年の歳月が流れた1951年7月、フルトヴェングラーが指揮する「第9」により、ナチスドイツ時代の呪縛にあえいでいたバイロイト音楽祭が劇的に再開されました。
フルトヴェングラーに代わって楽劇の指揮を取ったのは、共にバイロイトは初めてとなるカラヤン
[マイスタージンガー、リング(CDはラインの黄金とワルキューレ第3幕、ジークフリートのみ)を指揮]と
クナッパーツブッシュ[(リング(CDは神々のたそがれのみ)、パルジファル、マイスタージンガーを指揮]です。
新時代の旗手としてスターへの階段を駆け上りつつあったカラヤンと、音楽を志して以来一貫してワーグナーを熱烈に賛美し、
彼の作品上演のために身を捧げてきたクナッパーツブッシュは鮮やかな対照を示します。
そして、両者の創り出した音楽は、聖地に巡礼してきた、音に飢えたワグネリアンの胸裏に終生忘れることのない深い感銘を刻印しました。
1930年代の終わりに彗星の如く桧舞台に登場し、瞬く間にドイツ楽壇の寵児となり、「奇蹟のカラヤン」と賞賛されたヘルベルト・フォン・カラヤン。
終戦直後一時的に不遇を託ちますが、持ち前の意志力でEMIの花形指揮者の地位を勝取るなどし、栄光への階段を駆け上ります。
その最中の1951年には、指揮者陣の柱石となることを期待され、戦後初めて開催された記念すべきバイロイト音楽祭に華々しく登場しました。
この年、『ニーベルングの指輪』チクルスと『マイスタージンガー』を指揮する重責を担い、精緻な構成力、流麗な造形力を駆使し、
明晰かつ情熱的な音楽で聴衆を圧倒。新時代の到来を鮮やかに印象付けました。
しかし、好事魔多しの諺通り、翌年の『トリスタン』を最後に、バイロイトとは袂を分かつことになります。
この後カラヤンは、ウィーン、ベルリン、スカラ座に君臨し、「帝王」の名をほしいままにしますが、再びバイロイトのピットに入ることはありませんでした。
この『マイスタージンガー』は、黄金の翼を羽ばたいて天へと飛翔するかのようなカラヤン壮年期一世一代の晴れ舞台の貴重な記録であり、
この楽劇にまとわりつくナチス時代の不幸な埃を払い落とし、作品に内在するヒューマンな感情と祝祭的な高揚感を余すところ無く表現している真に傑出した演奏です。
後年の有名なドレスデンでの再録音と比べても、一気呵成に畳み込む推進力の鮮烈さや積極果敢な覇気に富んだ表現意欲の鋭気など、
演奏内容ではこちらの旧録を推す人が多いのもむべなるかなと頷けます。
エーデルマン、シュヴァルツコップ、ホップ、クンツなど、当時最高の歌手を揃えた布陣で望み、声楽面での瑕瑾も見当たりません。
まさに至高の音楽が現出されています。
ワーグナー:
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲
オットー・エーデルマン(B:ザックス)
ハンス・ホップ(T:ヴァルター)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(S:エーファ)
エーリヒ・クンツ(Br:ベックメッサー)、他
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1951年、バイロイト祝祭劇場
(モノラル・ライヴ)
コンディション良好。
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