13.2×9.4㎝
全11丁+表紙裏半丁+裏表紙裏半丁
【題箋】無し。剥がれた場所に、筆書きで「女今■■」とあり。
【内容】「今川状」に模した、女性向けの教訓書
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・上段枠内には『四季女用文』とあって
正月には羽子と羽子板・松飾りの図と共に文の例が「返事」とともに記される。
以下「花見の文」「婚礼の文」、五月五日には「雛人形」の図と共に「端午の節句」とともに、「出産」など子供に関わる文が認められている。
巻末(裏表紙裏)には二羽の鶴の図【表表紙裏の「女今川雲井の鶴」と呼応している】とともに赤染右衛門の
「雲の上に名のらんまでぞみてしかな鶴の毛衣としふとならば」。が据えられている。
これは「鶴亀」ならぬ、「長寿」の表現なのかも。
【因みに】この歌は「後拾遺集・賀 雲の上にのぼらんまでも見てしがな鶴の毛衣年ふとならば」にあって、見たとおり、二句目が「名のらん」ではなく「のぼらん」となっている。書き損じか、または「夫婦二人の長寿を空中にまで知らしめよう」と言う心意気なのかも知れない。
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・表紙裏
上部に「女今川雲井の鶴」と横書き。
中央に女性の「麻の中の蓬」を愛でている立ち姿。
そこに記されているのは
もろこし荀子といへる人のことばに蓬麻の中に生ずたすけずして直なりとい へり朱にまじはればあかくなり善人に交はれば芝蘭の室に入がごとくかゝる 心をとりて西明寺入道(執権北条時頼・謠曲「鉢木」などの話は有名)のう たに
能(よき)人にむつびてあしきことあらじ 麻の中なる蓬みるにも
つまり良き夫と睦び合えば、女性は幸せになる、ということか。
・1丁表~
今川になぞらへて自をいましむ制詞条々
以下
一云々・・・・が23続いていく。
・5丁裏 右此條々の常に心に懸らるべき事珍しからずといへ共云々と更に続く。~裏表紙裏
・裏表紙裏に
本材木町壹丁目
地本 太夫・抜本[角書]問屋 西宮新六版
【因みに】「地本問屋」は「源氏物語」や「古事記伝」など、今で言う古典や研究書以外の、謂わば流行作家の作品や「往来物」などを扱う問屋。
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み囓りなど、多数あり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。