川島未雷（1958年上海生まれ）は、14歳より肖峰教授に師事しデッサンの基礎を築き、1982年に上海大学美術学部を卒業後、1986年に来日し1995年に日本国籍を取得。全国職工美術展三等賞、全国体育美術展銅賞、第30回亜細亜現代美術展安田火災美術財団奨励賞などを受賞し、二科展にも入選。長谷川町子美術館や足利市に作品が収蔵されている。奥入瀬渓谷の渓流美に魅了され、“日本の四季-水-”をテーマに全国で90回以上の個展を開催し、日本の自然の美を再発見する旅を続けながら精力的に制作・発表を行う。繊細な筆致と豊かな色彩表現で、日本の水辺の風景を詩情豊かに描くのが特徴。

川島未雷「燦光清流 奥入瀬」油彩 約120号 大作 2009年作 三越取扱 個展出品作
《燦光清流 奥入瀬》（2009年）は、自然画の名手・川島未雷による渾身の大作です。本作は、清流と新緑が織りなす奥入瀬渓流の情景を、横幅190cmという壮大なスケールで描いた約120号の油彩画。木漏れ日が水面に降り注ぎ、清らかな流れが岩を包みこむように泡立つ様子は、まさに“燦光”と“清流”の名にふさわしく、自然の美と命の輝きを余すことなく捉えています。画面左奥から右手前へと迫ってくる川の流れには躍動感があり、あたかも鑑賞者自身が森の中に立ち、涼風とせせらぎを感じているかのような臨場感を覚えます。森を包む光は、奥入瀬の持つ神秘的な空気感を際立たせ、豊かな緑と瑞々しい水の描写には、川島の卓越した観察力と色彩感覚が凝縮されています。

川島未雷（1958年上海生まれ）は、来日後「日本の四季―水―」をライフワークとし、奥入瀬渓谷をはじめとした日本各地の水辺風景を描き続けてきました。繊細な筆致と詩情豊かな構図は多くの人々の心を惹きつけ、全国で90回を超える個展を開催。本作も2010年、三越百貨店での個展に出品された代表作の一つとして、画家の水辺風景表現の集大成ともいえる存在です。

自然の静寂と躍動が共存する、珠玉の一枚。見る者の心に深い癒しと感動をもたらします。