【 探すのが最も難しい8大シャトー 】
五大シャトーに
「ペトリュス」「シュヴァル・ブラン」とこの
「オーゾンヌ」を加えた
『ボルドー8大シャトー』
の一角として、
世界中のボルドーワイン・ラヴァーを魅了し続けています。
それだけに一度は飲んでみたいと思っている方も多いワインなのですが、実は
ボルドー8大シャトーの中では
『探すのが最も難しい』と言われ、
とても稀有な存在です。
その理由は僅か7haの小さな畑しか所有しないから。
入手するのはほぼ不可能に近い
『レアワインの筆頭』
ながら
『ポムロルの神話』と言われる「ペトリュス」よりも遥かに稀少ながら
価格はずっと良心的です。
現オーナー「アラン・ヴォーティエ」の見事な管理運営の下、今も品質は年々向上し続けています。
平均35hl/haという低収量に抑え、ブドウが完熟するまで待ち収穫し、オークの新樽でマロラクティック発酵を行い、
軽い清澄はしますが濾過は一切行いません。
良いワインを造るための投資は惜しまず、その結果
品質は高く安定し、
オーゾンヌの評価は常に揺るぎないものとなります。
ブドウの選果を厳しく行うために生産量は極めて少なめです。
完璧に成熟したメルロ、タンニンがしっかりとしたカベルネ・フランが収穫され
超長熟ワインになるポテンシャルを秘める
サンテミリオンの最高峰です。
現時点でも既に熟成32年を迎えていますが、もっともっと熟成を重ねていく魅力を秘めています。
実際にロバート・パーカーも、過去このワインには以下のコメントを記しています。
『瓶で並外れた成長ををする要素を感じさせ、氷河のようにゆっくりしたペースで30年から40年熟成するはずで、
予想される飲み頃は、2010年から2045年』と。
外観は紫がかったルビー色。熟したブラックベリー、カシスなど黒系果実のアロマと、リコリスやクローヴなどのスパイス、
タバコの葉のニュアンスが感じられます。ゆっくりと広がるシルクを想わせる滑らかな舌触り。酸もしっかりと絶妙なバランスを形成。
もちろん今飲んで十分美味しいのですが、
更なる熟成を遂げた味わいも大いに期待が持てます。
キノコや燻製のようなフレーヴァは旨味と共に口中を満たし、
遥かに永い余韻となって飲み手を魅了します。
慈悲深くとてもセクシーな1本です。
圧倒的に見つけるのが困難なワインですから
セラー・コレクションにはぜひ加えておきたい銘柄です。
同じサンテミリオンの両翼「シュヴァル・ブラン」と比較するとわずか5分の1
五大シャトー筆頭の「ラフィット・ロートシルト」とは何と14分の1という生産本数。
「オーゾンヌ」のブドウ畑について残っている最も古い資料は、1341年にまで遡ります。
その名前が「オーゾンヌ」と呼ばれだしたのは、1592年からのこと。
「オーゾンヌ」というシャトー名は、紀元後320年〜395年の生涯をここで送ったと言われる詩人で学者の
「デシミュス・マニュス・アウソニウス(フランス語読みでオーゾンヌ)」にちなんでいます。
ローマ時代からの永いワイン造りの歴史があり、
ボルドーの右岸地域では唯一公式格付けを設立しているサンテミリオン村。
そのサンテミリオンの石灰岩質の一番優れた斜面に「シャトー・オーゾンヌ」は居を構えます。
平均樹齢50~55年を誇るカベルネフランが55%、メルロが45%の比率でブドウを栽培します。
ボルドーの代表品種カベルネ・ソーヴィニヨンを一切用いないそのワインは、
他のどのボルドーワインとも一線を画すだけの圧倒的な個性を持って
『ボルドーのブルゴーニュ』
とも評されます。
いい年のものであれば100年以上の熟成可能なボディを持ちながらも
スタイルは非常にエレガント。
あるワイン評論家は1874 年のオーゾンヌを飲んで
『私がそれまで十分にオーゾンヌを評価しなかったのは、飲み頃になるまで121年待つ辛抱が無かったからだと思い知らされた』と評し、
その甘美な香り、コクのあるふくよかな風味、クラクラするほどの甘いフィニッシュを大絶賛したのです。
直近の2022年9月の格付け更新まで、
サンテミリオンでたった4シャトーにのみ許された最高位タイトル
「サンテミリオン・プリミエ・グランクリュ・クラッセA(第一特別級A)」
を獲得していた
まさにサンテミリオンの頂点に君臨するシャトーです。