永禄2年(1559年)に書かれた自筆の「新古今和歌集」です。
和歌番号は、恋歌二の1420〜1423です。
この和歌を書いた筆者は不詳ですが、京都の公家が書いたような流暢で筆力のある書体です。
古筆の左上に仙台藩医師「木村寿禎」の落款印がございます。木村寿禎が所蔵した際に押印したものです。
<古筆の状態について>
厚紙に貼られた状態で額縁に収められております。また、経年による虫食いがございます。
<サイズ>
古筆:縦24.7㎝、横16.6㎝
額縁:縦33.6㎝、横25㎝
<送付方法>
送料は落札者様のご負担となります。「おてがる配送ゆうパック」で発送いたします。
<読み下し文>
(斎宮女御参り侍りけるに、いかなることか)ありけむ 天暦御歌(村上天皇)
水の上のはかなき数もおもほえすふか(深)き心し底(そこ)にとまれは(和歌番号1420)
ひさ(久)しくなりにける人のもとへ 謙徳公
なか(長)き夜のつ(尽)きぬ嘆(なけき)のた(絶)えさらはなにゝ命をかへてわす(忘)れん(和歌番号1421)
権中納言敦忠
心にもまかせさりける命もてたの(頼)めもをかし常ならぬよ(世)を(和歌番号1422)
藤原 元真
世のう(憂)きも人のつらきも忍ふるに恋しきにこそおも(思)ひわひぬれ(和歌番号1423)
しの(忍)ひてかた(語)らひ侍(はへり)ける女の親、き(聞)ゝきていさめ(侍りければ 参議篁)
<現代語訳>
(斎宮女御が参内しましたところ、どのようなことが)あったのでしょうか 天御歌(村上天皇)
ゆく水の上に数を書くよりももっとはかない、と歌にも詠まれている片思いの苦しさも、今は思われない。わたしの深い心がそなたの心にとまったので。(和歌番号1420)
逢わないで久しくなってしまった人のもとに 謙徳公
死後までの長い世の、あなたに逢えなくて尽きない嘆きが絶えないとしたならば、何に命をかえて、 嘆きを忘れたらよいのでしょうか。(和歌番号1421)
題知らず 権中納言敦忠
心のままにも生きていられない命によって、いつまでも変わらないと約束してあてにさせてはおくまい。無常の世なのだから。(和歌番号1422)
藤原元真
世の辛いことも人の薄情であることも耐えているのに恋しいことによって、思い悩んでしまうことだ。(和歌番号1423)
ひそかに契りあっていた女の親が聞きつけて禁じ(ましたので
参議篁)
※ご使用の端末によって色合いが実物と異なって表示される場合がございます。