
自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので表紙など経年変化はございます。ご理解頂ける方にご入札をお願い申し上げます。
日本史有名人の苦節時代
長く遠く、あてのない道をひたすら歩みつづけるのが人生ならば、その旅路の先に待ちうけているのは…。功なり名とげ、歴史にその名を刻んだ人びとにも、鳴かず飛ばずの逆境時代があった。艪も舵もない小舟で蘭学の海へ―杉田玄白。家の縁側や柱を薪にして米飯を炊いた日々―勝海舟。長い不遇にもめげず信念を貫いたへそ曲がり―吉田茂。中間子理論が「ふと」訪れるまでの長い苦闘―湯川秀樹。痛烈な批判を浴びた、大人の歌を唄う天才少女―美空ひばり。江戸~昭和を生きた88人の有名人が、人知れず流した涙の数々…。
江戸(徳川光圀―わがまま勝手な世嗣を変えた『史記』伯夷伝;徳川吉宗―二十万石の大名に憧れた、幼き日の八代将軍 ほか)
幕末(川路聖謨―立身の夢を我が子に託した父の、凄まじい教育;島津斉彬―優秀すぎた世子の、藩主への遠い道のり ほか)
明治(西郷隆盛―痩せ細り、目だけが輝いていた檻の中の日々;大久保利通―藩主への接近のために学んだ唯一の趣味 ほか)
大正・昭和(高橋是清―詐欺に遭いクビになり奴隷に売られた未来の総理;浜口雄幸―不遇の時期にも変わらなかった精勤ぶり ほか)
レビューより
江戸から昭和まで、88人の有名人を取り上げ、彼らが生涯の仕事を成し遂げる、あるいはそこに至るための地位を得るまでの、いわゆる苦節時代に焦点を当てたものです。いわば彼らを通して、ただの子供から有名人になる方法を書いた本だとも言えます。
江戸〜昭和を生きた88人の有名人。その栄光の陰に幾多の苦節が仕組まれていた。人はただ光の部分のみに目を奪われるが、影の部分を照射したのが本書。功なり名遂げ、歴史にその名を刻んだ人びとにも、鳴かず飛ばずの逆境時代があった。
艪も舵もない小舟で蘭学の海へ、腑分け『解体新書』『ターヘル・アナトミア』訳出―杉田玄白
家の縁側や柱を薪にして米飯を炊いた日々、昼夜兼行で蘭和辞書書写への挑戦ー勝海舟
順調に昇進し、初戦へ、生涯苛まれ続けた軍機を奪われた恥辱と自責の念ー乃木希典
文壇で成功を得ても終らなかった借金苦、実らなかった恋、士族の娘としての意地ー樋口一葉
一瞬のきらめきを残して散った永遠の童謡詩人、不遇の結婚ーわず二十六歳の生涯ー金子みすゞ
長い不遇にもめげず、信念を貫いたへそ曲がり、親英米派ゆえの不遇―吉田茂
中間子理論が「ふと」訪れるまでの長い苦闘、人間に対する恐怖心、アンバランス感覚―湯川秀樹
子役受難の時代、痛烈な批判を浴びた、大人の歌を唄う天才少女、何万人に一人の天分―美空ひばり
人知れず流した涙の数々をここに語る。