
近年まれにみる銘品と思われます。本煤竹製 五ツ節本管になります。
煤竹で笙を製作するのは、とてつもない量の煤竹を用意せねばならず、
ましてや五つ節を製作するには、いかほどの量が必要か、想像する
だけで恐ろしいハナシになります。
茅葺屋根をご覧になったことがあれば、容易に想像つきますが、笙を
作るために竹を用意して屋根を葺いていませんから、一軒つぶした
ところで、笙に適した太さの煤真竹が回収できるかおぼつかないもの
です。何軒もつぶした末に、ようやく材料が揃う、その労苦を想像する
だけでも、気が遠くなります。
それゆえいまとなっては、材料もなく、いかに大枚を準備して煤竹笙の
製作を依頼しても断られることがほとんどです。
ご覧のとおり、まさに鳳凰が羽を休めるが如く、姿形秀逸で、節のそろい
具合もいかなる難点もないものと思います。頭から竹を抜いても、バラバラ
になることはなく、非常に竹の切組がうまい職人の作と推察します。
断定は致しかねますが、竹への切文字に鈴木直人に似たものを感じます。
それもあいまって、稀少度の高いお品になります。
で見る古い笙のうち、赤黒いものは蘇芳で、黒いものは酸化鉄
で着色した煮竹であることがほとんどです。煮竹は繊維が弱っており、
古ければ古いほど脆くなり、折れやすいものです。
煤竹の場合は皮を剥かない、内側に煤の痕跡があり、竹ごとに色の濃さ
がまちまちであるのは、天然煤竹である証左と云えます。
これも画像をご覧いただければ、確認いただけます。
シタはコシのある良質な佐波理で作られており、清冽な音色が秀逸で、
瀧川の水が岩を伝い流れるような心地がします。
現時点で、律は狂いないようですが、ご使用にあたってはそろそろ洗いを
していただいた方がより、一層お楽しみいただけるかと思います。
頭は重さからしてヒノキの挽物、鏡は水牛角で虫食いは一切ありません。
画像でお確かめください。
総銀金具は屠られており、屏上も非常に細工の良い仕事の金具がついて
います。経年のくすみはありますが、全体の値打ちからすれば気になる
ほどのことではありません。
秋田県の旧家の土蔵整理で発掘したもので、桐箱には昭和9年の報知新聞
秋田版がともに入れられております。日付からして、製作は昭和9年以前の
ものと考えております。
正絹袋がありましたが、風化が著しく進んでおり、残念ながらやむなく廃棄し
ました。
代わりに保護用として化繊の袋をつけております。
手放すことは大変口惜しいのですが、宝の持ち腐れとそしられるのもまた口惜しく
断腸の思いで出品します。
100余年の時を経て世に出る銘品です。二度と世に出ないお品、ぜひご検討くださいませ。
全長:435ミリ
比と千の間:18ミリ
(2026年 4月 11日 12時 40分 追加)ツテでご検討の方がありまして、本オークションに入札ない場合には早期終了の可能性があります。
ご理解のほどよろしくお願い致します。