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江戸時代中期〜後期時代の古伊万里のお皿です。
焼き継ぎという、江戸時代中期から後期の短い期間に盛んに行われていた修復技術が施されています。
寸法は、径18.7cm×高さ2.8cmです。
染付は表裏どちらの面も丁寧に描かれており、表面の濃淡は特に味わいのある図です。
機械技術の発展していない時代の作品ですので、窯キズや横から見て歪みがあります。
また、時代を経てきたものですので、くすみも若干ございます。
ヒビなど、磁器としてのダメージはありません。
詳細は画像でご確認ください。
【参考】
焼継ぎについて。
焼継ぎというのは、壊れた器を高熱のガラス素材で接着する技術です。ガラス継ぎと言われることもあります。
硬度も耐水・耐熱性も非常に高いと言われています。
しかし、現在ではその技術は途絶えたため、非常に希少な技術の痕跡となっています。
※当方も 陶磁器はたくさん見てきましたが、焼継ぎで修復された古伊万里には初めて出会いました。
18世紀末に京都で行われていた焼継ぎは、19世紀に入って江戸でも行われるようになり、江戸後期には「器が売れない」と瀬戸物屋が愚痴るほど焼継ぎ屋が増えて、全国的に流行しました。
ところが江戸末期から急激に衰退し明治期に入ると焼継ぎ屋は居なくなり、技術も途絶えてしまいます。
磁器ものの大量生産が始まり染付の器が安価に入手可能になったため、わざわざ修理する必要が無くなったからだと言われていますが、陶芸家さんの話によれば、接着する素材は 非常に繊細な割合で原料が混ぜられたものであり、その技術は現代にはっきりと残っていない、とのことでしたので、技術の難しさ(職人の高度な技術で修復するよりも 新しいものを買う方が安価で手軽であること)も一因のようです。
※おてがる配送ゆうパック60サイズでの発送を予定しております。