日本海軍 特殊攻撃機 『橘花』 (きっか)

  中島飛行機製

  昭和20年 8月 試作機

 模型サイズ ： 全長 193ｍｍ  全幅 20９ｍｍ

ファインモールド製のキットをそのままで組立、塗装を致しました。初飛行した試作機を再現しており、尾翼には部隊記号の記載はあのません。試作機なので武装はなく、無線用のアンテナも装備しておりません。また試験飛行の離陸に際してはエンジンの推力不足を補うため、仮に補助ロケットを装備していましたが、当模型ではかっこ悪いので再現しておりません。塗装は主にエアーブラシによる吹付塗装です。塗装色は上面は海軍中島系暗緑色、下面は無塗装を表現しシルバー塗装てす。機体内部は中島系機体内部色です。タイヤはつや消しタイヤブラック色です。また、国籍マーク（日の丸）はキットに付属のデカール（転写マーク）をそのまま使用しました。

あくまで素人が趣味のなかで製作した模型です。完成度、仕上がりは画像にて確認して戴き、ご納得して戴けましたら入札をお願い致します。尚、非常にデリケートな商品ですので、発送に際しては細心の注意をして梱包致しますが、輸送途中で部品が脱落したり、折れたりすることがあるかも知れませんので、ある程度ご自身で補修が可能な方の入札をお願い致します。

［特殊攻撃機『橘花』について］

『橘花」は国産初の双発ジェット機です。昭和19年4月に開発が始まりました。当時は南方からの燃料入手が次第に困難になっており、燃料の不足と品質の低下が深刻になっていた。そこでレシプロエンジンよりも低品質の燃料でも稼働し、また部品点数も少ないジェットエンジン搭載機の開発に至った。日本でジェット機の開発に進んだのは他国とは異なりこんな事情があったのです。ロケット戦闘機『秋水』の開発も同じ事情で、いずれも速度向上を追求したものではありませんでした。『橘花』のジェットエンジンは当初推力の小さい『ネ１２』であったので機体はかなり小型になっている。その後推力の大きい新規設計の『ネ２０』に換装されたが、推力はまだ不足していた。頼みのドイツと技術交換で得られたＭｅ２６２（メッーシュミット）の図面と資料はドイツから搬送していた日本とドイツの潜水艦はシンガポール付近で撃沈され、日本には届くことはなかった。別途カバンに入れて持ち込まれたわずかな資料からエンジンや機体等の改良が実施されたが、完成した『橘花』試作機の多くが日本独自の技術であった。Ｍｅ262と『橘花』は似てはいるが、大きく異なるのは『橘花』のほうがかなり小型機であり、主翼はテーバー翼であることです。（Ｍｅ262は後退翼） また、水平尾翼や垂直尾翼よりも前に配置されており、これは中島の従来の戦闘機の形状、配置の採用です。前輪は『銀河』の尾輪を転用し、主脚はブレーキを含め『零戦』のものがそのまま転用されています。

初飛行は昭和20年８月7日、わずか12分のことでした。その後、脚を破損し修理・整備していた中で終戦を迎えることになる。

また、初飛行では松の根から採った松根油を混合した燃料が使用されました。低品質の燃料が使用できることが実証され、燃料を極力自前としようとした試みでした。

尚、名前に『花』か付いているのでよく間違えられるが、これは特攻機として設計されたものではなく、機銃や爆弾を装備し、対艦、対地攻撃をする攻撃戦闘機として開発された機体ですが、試作機には武装はありませんでした。