栗本薫★後期・伊集院大介シリーズ★ 講談社文庫
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| ★商品説明★ | 栗本薫著 「後期・伊集院大介シリーズ」 講談社文庫 「聖者の行進 伊集院大介のクリスマス」 ２００７年 １１月 文庫初版 「第六の大罪 伊集院大介の飽食」 ２００８年 １１月 文庫初版 「逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵」 ２００９年 ２月 文庫初版 「樹霊の塔 伊集院大介の聖域」 ２００９年 １２月 文庫初版 定価 ４９８円～６４８円＋税 ２６０頁～４１０頁 |
| ★著者略歴★ | １９５３東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。1977年、中島梓として「文学の輪郭」で第20回群像新人文学賞評論部門賞を受賞。文芸評論家としてデビュー・1978年「ぼくらの時代」で第24回江戸川乱歩賞を受賞。１９８１年伊集院大介シリーズの第１作「絃の聖域」で第２回吉川英治文学新人賞を受賞。以降新たなエンターテイメント作家として注目を集めた。ミステリー、SF、時代、伝記小説を執筆。ミュージカルの脚本、演出、作詞作曲、ライブ演奏など多才ぶりを発揮。グインサーガシリーズを始め、魔戒水滸伝など著作は４００冊を超える。２００９年逝去、享年５６． |
| ★作品内容★ | 伊集院大介のシリーズは大きく三つに分かれる。初期の本格推理っぽい探偵小説。中期の伝奇小説を意識した名探偵対怪人。後期の初期のように落ち着いた作品だが、本格推理というより著者の思いを込めた作品集。これは後期の当たるシリーズ。 ＜聖者の行進＞ レズバーで酒を飲んでいた伊集院大介。そこに巨体のおかまが入ってくる。それは一世を風靡した”ママ・ジョーンズ”のママ、ジョーママだった。レズバーの経営者・樹が十数年前のナンバーワンホストとして活躍していた有名なゲイバーだった。時代が変わったのか、店のホストたちが変わったためか、最近は左前で、資金繰りにも困っているらしい。樹ももう50代後半、ジョーママはそろそろ70代かもしれないが、それでもそのカリスマ的な存在感は圧倒的。けっれどそこで愚痴って行った数日後、ママが首を吊った姿で発見される。確かに資金繰りには困っていたらしいが、あの巨体の人が自殺するとは思えない。病気で酒を飲めなくなった作者が、かつてのその妖しげな雰囲気の店の思い出を語りながら、事件解決する。主に語りたかったのは、かつての怪しげなバーの思い出か。 ＜第六の大罪＞ 第六の大罪・飽食の罪。グルメ雑誌や料理番組がたくさん出されているが、そんなグルメたちを題材にした軽い短編集。「グルメ恐怖症」グルメ評論家が、友人の計画殺人で殺されると訴える。「食べたい貴方」世界中の珍味を食べつくしたという男の接待を命じられた中年のやくざ。「芥子沢平吉の情熱」戦争中に命を救ってくれたラーメンの味を求める男。だがその究極の味の正体を知ったとき男は記憶を失う。「地上最凶の御馳走」料理番組で”中華の神様”として有名な料理家が、その対決を前に食材にしようとしてワニに食い殺されるという事件が起こる。その真相とは？ ＜逃げ出した死体＞ 中学2年の元気が家の玄関に入ると、そこには胸にナイフを刺された死体が在った。家に入ることもできずに近くの公衆電話で警察に通報したが、警官が押し寄せた家には死体がなかった。警官から明日保護者を連れて報告に来るように言われたが、離婚して母子家庭の母は、いつまでたっても帰ってこない。玄関先で座り込んでいる少年を見かけた滝沢は声をかける。滝沢は伊集院大介の助手を務めるアトムくんだった。ともかく事情を聴いたアトム君は、一緒に夜を過ごすことに。翌朝、アトムくんが帰った後寝てしまった元気は、頭の上でぼそぼそしゃべる声で目覚める。そして部屋にはガソリン臭いにおいが、寝ているふりをしてすきを見て逃げ出した元気は、平日の町で疑われながら一日を過ごし、勇気を出して家に戻ったのだが、そこで出会ったのは。 ＜樹霊の塔＞ 伊集院大介の登場作「糸の聖域」でワトスン役を務め、その後も初期の作品ではワトスンとして伝記作家となった”森カオル”。彼女も20代後半、彼女が再登場（ただし、時代は70年代だから昔の話ということだが）。彼女が編集者に誘われて、辺境の村にやってくる。落人伝説もあり、橋を渡るか峠越をするかしなければたどり着けない村。そこは、昔から、松之原家が支配し、その当主は90代の女性。古いけれど、明治時代の洋館を思わせる建物。南蛮寺と樹霊の塔。居るのはほとんど老婆ばかり。東京から親族もやってくることもあるが、どうにも謎ばかり。そして嵐がやってくる。増水のため、橋が渡れなくなるというのに、事件が起こる。自殺なのか、首つりの死体。そして同行者が襲われ、恐怖の襲われるカオル。ここで何が起こっているのだろうか。初期作品の登場人物を、配した晩年近くの作品。 |
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