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「木村荘十 肉筆書簡 木村荘五宛 1939頃？」荘十二の映画のことなど《真作》


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　　作家 木村荘十(1897-1967　牛鍋チェーン店「いろは」経営者木村荘平の妾腹の十男)の肉筆　200字詰の原稿用紙3枚の表裏(6枚分)

　　異母兄の木村荘五(1973年、83歳没)宛　　

　　「御芳書、誤配をされ、木村一郎と草人の所から今日届く。只今、窓外に出征見送りの万歳の声をきき乍ら拝見」と書きだされています

　　「...僕等は秩序立った学問をしなかったのですが、やはり大正、昭和初期にわたる、自由主義、デモクラートの人々のものを乱読して来たのでリベラリズムの性根が清算し切れず、どうも御時世には先頭を切れません、僕等より後代の左翼の人などは、気の毒な気がします」

　　と、あり、この頃は水交社(日本海軍将校の親睦・研究団体)などでやる会にも努めて出ていること、「命がけでやれ」という軍人の申分には一言もないことなど

　　3枚目の終りから裏面のNo.4-6は、荘十、荘五の異母弟で映画監督の木村荘十二(1903-1988)と彼の映画について書かれています　

　　※荘十二は、幼くして父を亡くし、4歳から二代目木村荘平夫妻に育てられる　小学校卒業後、奉公に出されたが、不憫に思った異母兄木村荘五に引き取られて教育を受け、荘五と共に新しき村に参加　1924年に映画界入り　　

　　「...先日は、荘十二君に就て特に牧場物語に就て批評をしましたが、あれは意識してやったことでした」　※「牧場物語」は荘十二が監督した1938年の東宝映画

　　「彼氏、今は、今こそだな、大物になるか、ならぬかの境にあると思います」

　　荘十二の弱点については、自分からは言えないから、折のいい時に、今度の仕事でも終わった時に話して上げて貰いたい、と書かれています

　　汚れ痛みがあります　　　　　　

　　その他につきましては写真を見てください（文庫本は大きさ比較のためです）

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