オンキヨーのブックシェルフ型スピーカー「D-102ACM」です。
主な整備は次の通りです。
・ ネットワークの更新
・ 配線の引換え
・ ウーファーエッジの張替え
・ 吸音材の追加
ディバイディングネットワークを、ソルダーレスで刷新しています。(写真9枚目右下)
HPFのコンデンサは、パナソニック製と東信工業製のPETフィルムコンデンサを採用。
LPF側はエルナー製音響向け電解コンデンサを搭載しています。
抵抗器は金属皮膜抵抗を採用。コイルは既存と同じですべて有芯です。
回路設計もオリジナルと同じにしてあります。
上記に伴い、配線を引き換えています。同じくソルダーレスです。
すべてJVC製のOFCスピーカーケーブルとしています。
ウーファーのエッジをクロス製で張り替えています。(写真6、7枚目)
内部の吸音材は、既存のウールをすべて撤去し、新たにグラスウールを張っています。また、底部にはゴムシートを貼っています。
ツイータードーム内の追加の吸音材として、ニードルフェルトを詰めています。
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キャビネット外観は、片方の側面にPVCシートが熱により溶けたような跡があります。(写真5枚目)
また、天面と底面に薄い擦り傷があります。
前面ネットは、穴や剥がれはありません。
片側のソフトドームに凹みの修復跡があります(写真8枚目)。気になる方はご注意ください。
背面のバインディングポストは、分解し薬剤で洗浄してあります。
底面にフェルト製のパッドを貼ってあります。
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オンキヨー製スピーカーのエポックメイキングとなった「02A」シリーズより、最小ラインのモデルのひとつです。日本製。
小型でも低音の量感を得られるよう、フロントとリアにひとつずつバスレフポートが設けられているのが特徴。ハコの板厚もしっかり確保されています。
中音にコシと厚みを持ち、低音にも安定感があります。
整備では、原状復旧が主です。
上記作業のほか、バスレフダクトの固定の施工不良是正なども行っています。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:166W x 259H x 272D mm
・ 重量:5.3kg
・ インピーダンス:4Ω
・ 再生周波数帯域:50Hz~35kHz
・ 音圧Lv:89dB/W/m