ホセ・カレーラス /
《ウィーン・カムバック・リサイタル 1988》
白血病から立ち直ってステージ復帰した感動的なコンサートです。
カレーラス・ファンはもちろん、オペラ・ファンも、素晴らしい歌手の貴重な記録として持っていたい1枚といえるでしょう。
1987年7月、40歳のホセ・カレーラスは白血病に罹患していると診断されて愕然としました。その後の一年を世界的名歌手の命を救うために医師団が奮闘し、最初は治癒の見込みが薄かったものの、ついには世界中のカレーラス・ファンが祈っていた快癒を達成しました。カタロニア出身のカレーラスは血液がんとの闘いに勝利を収め、歌手活動復帰を成し遂げたのです。
このDVDに収録された歌曲の夕べは、ウィーン国立歌劇場の光輝に満ちた歴史の中でも、疑いなく特別な声楽リサイタルでした。長期間の活動休止を破った記念すべき舞台復帰というだけでなく、カレーラスが芸術家として生まれ変わったという意義もあります。
カレーラスが舞台上に姿を見せると、聴衆は一斉に立ち上がり、「ホセ、ウィ・ラヴ・ユー」と書かれた垂れ幕が特別席に高く掲げられました。
マスネ:あなたの青い目を開け
アーン:恍惚の時
フォーレ:夢の後に
トゥリナ:決して忘れない / 二つの恐れ
ナチョ:Tengo Nostalgia de ti / Intima
プッチーニ:太陽と愛 / 陸と海 / 約束は偽りだった
リスト:ぼくはこの地上で天使の姿を / 祝福あれ、あの日 / 平和は見つからず
トスティ:開けておくれ / もはや君を慕わず / かわいい唇 / 最後の歌
[アンコール]
カルディッロ:カタリ(つれない心)
ララ:グラナダ
ファルヴォ:彼女に告げてよ
チレーア:いつもの羊飼いの物語(フェデリーコの嘆き)
グリーグ:君を愛す
ホセ・カレーラス(テノール)
ヴィンチェンツォ・スカレーラ(ピアノ)
収録:1988年9月16日 オーストリア、ウィーン国立歌劇場