日本推理作家協会編 「江戸川乱歩賞全集６ 天使の傷痕＆殺人の棋譜」 講談社文庫
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| ★商品説明★ | 日本推理作家協会編 「江戸川乱歩賞全集６」 講談社文庫 「天使の傷痕＆殺人の棋譜」 １９９９年 ３月 文庫初版 定価 １１９０円＋税 ６４１頁 |
| ★著者略歴★ | 西村京太郎。斎藤栄。 |
| ★作品内容★ | この全集シリーズは、江戸川乱歩賞受賞作を２作品づつ取り上げる。作品自体も面白いが、著者の受賞時のインタビュー。と、最終候補作については、選考委員の講評がすべて載っている。これはかなり面白い。かなり辛口の評もあれば、改善点の指摘や、絶賛もある。さらに２次選考からの作品名がすべて載っているのも面白い。さすが新人作家の登竜門だけに、いまでは有名になった作家が何度も挑戦している様子なども興味深い。 『天使の傷痕』１９６５年、第１１回江戸川乱歩賞受賞。デート中の新聞記者は、被害者が「テン」といって息を引き取ったのを目撃した。田嶋は新聞記者らしい関心から周辺を洗う。「テン」とは天使と分ったが、事件の背景には意外な事実が隠れていた。プロットなどは、よく出来ていて社会派推理としては秀作だろう。ただ細かい点で粗が見えるのは、推理小説の初期の作品としてはしょうがないだろう。 『殺人の棋譜』１９６６年第１２回江戸川乱歩賞受賞作品。将棋会の若き八段の幼い娘が誘拐され、身代金を要求される。おりしもその棋士・川辺は将棋会の最高位決定戦の３番勝負が控えていた。娘の安否を気にしながらも第１回戦は逆転勝ち、第二戦は場所を変えて有馬温泉。きしくも警察の不手際から、身代金を奪われ、仲間を殺して逃げたと思われる犯人が潜んでいた近くだった。そして第２戦は負け、その当日の夜、またしても警察が踏み込む前に誘拐犯が殺されていた。果たして、殺人犯は誰か、それともまだ仲間がいるのか？幼い娘の行方は？そして最終局が行われる。誘拐事件と将棋のタイトル戦を同時に進行させた工夫が面白い。タイトル戦の幕切れもいい。 |
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