
【サイズ】
(横 × 奥行 × 高さ)
280*200*160mm
6.1kg
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【解説】
この唐石「安寧之里」は、明治三十一年(1898年)の記銘をもつ、由緒正しき古格の盆石です。中国舶来の盆石であり、長い風雪を経た風合いと自然な造形がその魅力です。本作は三方を峻嶺に囲まれた静かな窪みを中心に据え、あたかも谷奥にひそやかに広がる安住の里を象徴するかのような構成をとっています。手前から奥へと山勢が高まり、空間の広がりと奥行きをもって鑑賞者を誘います。
特筆すべきは、中央の溜まり状の地形とその底部に見られる斑点状の肌理です。これは長年の水磨によって形成されたもので、まるで水の名残のような詩情を湛えており、見る者に深い安らぎを与えます。また、最奥部には自然に付着した黒玉状の石が一粒添っており、これは意図せず「閑かなる里に残る童の玉遊び」を想起させる風趣ある存在です。台座の紫檀仕立てもまた見事で、石の重厚さを引き立てながら、全体を一幅の山水画のように仕立て上げています。
「安寧之里」という銘は、まさにこの石の静寂と安らぎの気韻を言い得て妙であり、明治期の雅人がこの石に託した理想郷の情景が伝わってくる逸品です。阿部宗石翁も称賛した経緯を持つ、水石としても歴史的価値、造形美、気韻いずれも備えた名石といえるでしょう。
この機会にぜひご利用ください。
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ご入札に際してのお願い
出品者プロフィールもぜひご覧ください。
他にも多数出品しております。ウォッチ、ご検討よろしくお願いいたします。
毎週日曜日午前中に出品開始、翌週土曜日21時台にオークション終了予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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<水石の底切りに関して>
・水石は天然物ですので、必ずどこかに「欠点」はあると考えています。
・たとえ「うぶ石」であっても完璧なものはありません。
・日本一の名石とされる「末の松山」も底切りの石です。
・私は底切りや職人の「ふかし」を、石の個性のひとつとして受け止めています。
・人間と同じように、欠点もまた魅力の一部と考えております。
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<水石の写真掲載について>
・天然うぶ石には、タイトルに「★天然うぶ★」と明記し、底面写真を掲載します。
・職人による「ふかし」のある石も、底面写真を掲載します(タイトルに★天然うぶ★の記載はありません)。
・底切りの石については、あえて写真掲載や記載はいたしません。
・そのため、底の状態に関するご質問や追加写真のご依頼には対応いたしかねます。
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ご入札にあたっての注意事項
1. 送料・振込手数料はご落札者様のご負担となります。
2. 同日・連日のご落札品は同梱発送いたします。
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古美術・骨董品についてのご理解
・美術品は状態や時代判断に個人差がございます。必ず画像・説明をご確認の上、ご自身のご判断・ご責任でご入札ください。
・新品ではありませんので、スレや窯疵(ようか)等がある場合がございます。
・特に陶磁器に関しては、一般的なスレは「傷」と認識しておりません。
・写真に映らない微細な傷や汚れ等もございます。新品同様の状態をお求めの方、神経質な方はご遠慮ください。
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最後に
・商品は古美術を主体としております。年代・状態・価値観に個人差が生じることをご理解ください。
・モニター環境等により、実物と色味が異なる場合があります。
・画像・説明をよくご覧いただき、自己責任にてご入札ください。
・ご入札いただいた場合は、上記内容すべてにご同意いただいたものとさせていただきます。
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