代表的な画集には、『ひだまり』『こもれび』『はつ恋』『夢語り』などがあり、繊細なタッチと柔らかな色使いで観る者の心を惹きつけます。その他、CDジャケットやテレビドラマのタイトルバック画、広告イラストなど幅広い分野で活躍。個展では多くの観客を集め続けています。

太田慶文 水彩 カラーインク 10号大 2005年作
本作は、北海道出身の水彩画家・太田慶文によって2005年に制作された一枚で、和装の少女を主題とした水彩画です。清らかに微笑む少女の表情は、整った顔立ちとともに、見る者の心にそっと寄り添うような優しさと温もりを湛えています。しっとりと結い上げられた髪には紅い花飾りが添えられ、淡い色調で描かれた背景とともに、可憐な存在感を際立たせています。太田慶文は1951年北海道羽幌町生まれの画家・イラストレーターで、少女や子どもを題材に詩情あふれる水彩画を多数制作してきました。1981年にはサンリオ主催「詩とメルヘン 第1回イラストコンクール」で最優秀作品賞を受賞し、1986年には第12回サンリオ美術賞を受賞。代表的な画集には『ひだまり』『こもれび』『はつ恋』『夢語り』などがあり、個展や出版物を通じて多くの人々に親しまれています。

本作においても、透明感のある水彩の技法が活かされており、繊細なタッチと柔らかな色使いによって、少女の無垢さと気品を丁寧に描き出しています。太田慶文の魅力が凝縮された、抒情豊かな一枚です。