島倉仁（SHIMAKURA Jin）は1940年新潟県生まれの背景美術家・画家。中学時代から頭角を現し、東宝で黒澤明、岡本喜八ら巨匠作品に参加後、独立しアトリエを主宰。映画『まあだだよ』の夕景で日本アカデミー賞協会特別賞を受賞し、NHKスペシャル「生命」で国際エミー賞、文化庁映画功労賞やものづくり日本大賞・内閣総理大臣賞など受賞歴多数。「空の島倉、雲の島倉」と称される空や雲の描写は「右に出る者はいない」と評され、黒澤監督に「これだ！」と感嘆させ、大林宣彦監督に「島倉さんの雲は汗をかいている」と賞賛された。リアルを超越した風景表現が特徴で、映画・CM・博物館壁画・寺社襖絵まで多岐にわたる活動を展開。『ゴジラ』『ウルトラマン』シリーズの空や雲も島倉の手によると広く知られ、魂を込めた精緻な空・雲・富士・桜・滝・海・炎の作品を200作以上発表し続けている。

島倉仁「ステイト オブ マインド #13」アクリル画 10号 証明書付
夕陽に包まれるニューヨーク湾を描いた本作は、背景美術家・島倉仁が手がけた心象風景です。黄金色の光に染まる空と海、そして静かに佇む自由の女神が、まるで永遠の一瞬を切り取ったかのように描かれています。映画『まあだだよ』で日本アカデミー賞協会特別賞を受賞するなど、「空の島倉」「雲の島倉」と称される圧倒的な描写力を持つ島倉仁。彼の手によって描かれるこのニューヨークの風景は、単なる写実を超え、見る者の心に直接語りかけてくるような静謐さと力強さを宿しています。

タイトルの「ステイト オブ マインド（State of Mind）」が示す通り、この景色は単なる風景ではなく、「心の中に広がる自由への憧れや希望、そして孤独や静けさまでも映し出した心象風景と言えるでしょう。海面に広がる光の道は、まるで未来への航路を示すかのように輝き、自由の女神はその先に立ち、私たちを見守ります。世界中の人々が憧れるニューヨークという街の持つ力と、そこに託された「自由」という人類普遍の願いが、島倉仁ならではの美しい光と影の世界で表現された一作です。貴重なオリジナル作品の名画です。