「Maybe the Time」「Star」「Snap the Imposters」はどれも陰惨な下層社会を描く一方で、より良い生活を求めて脱出する人々を励ますナンバーだ。「Gasoline Queen」では、心のこもったラヴソングのなかに「彼女は電気掃除機みたいにしゃぶる」という歌詞を何度も忍ばせながらも、圧倒的な魅力によって成功している。「Snap the Imposters」では、あえて「Que Sera Sera」を引用したあとにサイケ・ロックでトリップする。本作はご機嫌なアルバムでありながら、まじめな意図を持って制作され、そのふたつの要素がほぼ完璧なバランスを保っている。