
【明治期 和裁の粋】金彩豪華な「折本」 鯨尺・メートル法対照表付き 稀少な和服仕立て指南書
日本の伝統美と歴史が凝縮された、類稀なる「折本」をご紹介いたします。こちらは、和裁の専門的な知識と技術が詰まった、大変貴重な歴史的資料です。
唯一無二の意匠美
目を引くのは、鮮やかな赤色を基調とした表紙です。日本の伝統的な花柄や幾何学模様の和柄が精緻な筆致で描かれ、古き良き日本の美意識を現代に伝えます。ページの外周には贅沢な金色の装飾的な縁取りが施され、書籍全体の格式と豪華さを際立たせています。アコーディオンのように広がる形式は、一覧性に優れるだけでなく、広げた時の壮麗さも魅力。まさに「見て、触れて、感じる」アンティークの逸品です。
和裁の極意がここに
薄いクリーム色の紙にびっしりと記された黒い文字は、昔の日本の文章で使われる旧字体や歴史的仮名遣いが多く見られ、その道の専門家が長年愛用してきた実用書であったことを物語ります。
内部のページには、和服の仕立てに関する詳細な情報がぎっしり。
「方裁物四片身ノ図」や「方裁物一」といった見出しからは、和服の複雑な裁断方法や型紙に関する記述が読み取れます。
「袖(そで)」「裾(すそ)」「前身(まえみ)」「ラクビ(襟元や首元)」といった具体的な和服の部位名が確認でき、当時の仕立ての技が詳細に記されていたことが伺えます。
歴史的転換期を示す貴重な資料
特筆すべきは、右側のページに明記された「鯨尺と米法の対照」という見出しです。これは、日本の伝統的な布の長さを測る単位である「鯨尺(くじらじゃく)」と、現代の「メートル法(米法)」との換算表を示しています。この換算表の存在は、本書が明治時代以降、メートル法が日本に導入され始めた激動の時代に、伝統的な尺貫法から新しい単位への移行を助ける目的で作成されたことを強く示唆しています。当時の和裁士や呉服職人が、いかにして新たな度量衡に適応していったかを知る上で、極めて重要な手がかりとなるでしょう。
コレクションに加える価値ある逸品
この折本は、単なる古書ではありません。当時の和裁技術、度量衡の変化、そして日本の文化史における変遷を示す生きた資料です。和裁の歴史を学ぶ方、和服の収集家、日本のアンティークを愛する方にとって、これほど魅力的なコレクションは他にないでしょう。
ぜひこの機会に、歴史と美が融合した特別な一冊を、あなたの手にお迎えください。
商品の状態:使用感はあるが使用には問題がない品