
当方のオークションにアクセス頂き、ありがとうございます。 今回はパドックにてオーディオ用のインシュレーターを製作しました。
パドックは本花梨より強い甘い香りがする木材で、良い香りに包まれながらの作業となりました。
材料の反りや割れを取り矩手を出し、50mm×50mmの寸法に削り出し、正四角形から正八角形へ、そして正十六角形へと削り出し、16mmの長さに切り揃えました。
よりシャープな仕上りにする為に木口の面は3mmカット面となっております。
仕上げの工程ですがペーパー120番→リボスオイル ナチュラル色を塗布→乾燥→ペーパー150番・320番・600番・1000番・3000番で都度ウェットサンディングを行い、良く乾燥させナノクリアスを塗り仕上げております。 リボスオイル・ナノクリアス共に3度塗りで仕上げております。 どちらの塗料も浸透系で木の呼吸を妨げる事なく表面を保護出来ますので、従来のワトコオイル・ワックスで仕上げるやり方から変更いたしました。
非常に艶やかな美しいインシュレーターに仕上がりました
パドックはマリンバやシロフォン、ギターに使用されるトーンウッドです。
また、かつてYAMAHAが製作していた高級スピーカースタンドのSPS-2000・SPS-10000もパドックが使用されております。
比重は0.65~0.85とそこまで堅い木という訳ではありませんが、もっと硬く重い木を相手にしているかの様な錯覚を覚えました。
私が良く製作する黒檀・紫檀は非常に堅く、非常に美しい高音を奏でますが、パドックは高音に関してはそれらより上のランクにあると感じております。
パドックは圧縮に強く、曲げに耐性がある木ですのでそういった粘りが音に良い影響を与えているのかもしれません。
黒檀の鋭さ・スピード、紫檀の華やかさ、ブビンガの締まりという様な各々の銘木にある様な強いイメージはなく、キャラクターは少々弱いかもしれませんが、パドックの非常に澄んだ音は他の銘木では代用出来ないと感じています。
※インシュレーターを設置した事で機材そのものや再生される音が数ランク上になるという事ではなく、今までの余計な振動・周波数であったものから発生していた音が整えられた、または加えられた結果、以前より良く聞こえる様になったという様に捉えて頂ければ幸いです。
※メンテナンスについて※
私が製作しているインシュレーターはリボスオイルとナノクリアスで仕上げてあります。 出品する際には表面のオイル・ナノクリアスはしっかり硬化しておりますが、時間が経つにつれて更に中まで浸透して硬化します。 完全に硬化しますと、更に響く様になります。
殆どメンテナンスフリーだとは思いますが、御心配な場合は固く絞った濡れ布巾で磨いて頂ければ長く使用出来るかと思います。
※耐荷重について※
ごく稀に何kgまでのスピーカーに耐えられるのか?という質問を頂く事があります。
比重1前後の寸法60mm角のローズウッドでテストしたところ、プレスを1t掛けてもびくともしませんでした。
また部屋にスピーカーを設置したという想定で、四隅にインシュレーターを並べ、ベニヤを敷き、その上に120kgほどの鉄のプレートを乗せた事もありますが何ら問題はありませんでした。
天然の素材を使用している為、多少の反り・捩れ・縮み・割れが発生する可能性がございます。
木の特性と受け入れ、付き合っていただけたらと思います。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にご質問下さい。