基本情報|Release Information
レーベル:For Life Records
品番:7K-114
フォーマット:7インチ, 45RPM, EP
国:Japan
リリース年:1983年8月5日
タグ:Disco, Anison, Japan, 1980s, Theme Song, Boogie
作品の解読|Decoding the Work
『Cat's Eye = キャッツ・アイ』は、1983年に放送開始されたTVアニメ『キャッツアイ』のオープニング主題歌であり、杏里の13枚目のシングルとして放たれた。その存在は、80年代初頭の日本ポップスにおける「制度と流行の交差点」を、もっとも鮮明に刻みつけた一枚といえる。
大谷和夫によるシングルバージョンの編曲は、ディスコとブギーのフォーマットを下敷きに、アニメ主題歌としての高揚感をサウンドの層として巧みに構築している。打ち込み主体ではなく生演奏を活かした編成で、特にベースラインとストリングスの間合いが、都市的疾走感と情感の余白を両立させている点に注目したい。
作曲は小田裕一郎、作詞は三浦徳子。明確な言語化が困難な“謎めいた女性像”を、どこか懐かしくも艶やかな日本語の旋律で呼び出す。そのイメージ戦略は、北条司原作のビジュアル表象と並走しながら、当時の聴取者に強い記号性として刻まれた。杏里のボーカルは感情の輪郭をなぞりすぎず、抑制された色気として配置される。それは「主題歌」としての責務を果たしながらも、ポップソングとしての余白を保っている。
B面「Dancing With The Sunshine」は、同じ制作陣による軽快なアーバン・グルーヴであり、前面に出すことなく都会的幸福感を抽出した好編曲。主題と余白の対比が、この1枚の録音を“主題歌”という枠を越えた音楽体験へと昇華させている。
この盤に刻まれているのは、単なる大ヒットアニメのOP曲ではない。むしろそこには、1980年代の音楽産業・メディア戦略・女性ボーカル像・視聴覚記号の交差点が圧縮されており、それらすべてがひとつの45回転のなかで矛盾なく共存している。それは制度に内在する“速度”の記録でもある。
状態詳細|Condition Overview
メディア:VG+(概ね良好)
ジャケット:VG+(概ね良好)
付属品:カンパニースリーブ付属(For Life)
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパケット)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。