
日本のレコードブック「和ンダーグラウンド」(2020年)で「埋もれた傑作」と讃えられた、田中寛 ・ 不破洋一による1974年のセルフプロデュース・アルバム『Untitled White Album』は、1970年代に日本でリリースされたプライベートプレス・レコードの中でも最も入手困難な作品の一つです。わずか100枚しか制作されず、現存する多くのアルバムにはインサートがないため、このアルバムは神話的な地位を獲得し、しばしば「Unknown Artist」による「Unknown Album」として言及されました。
1970年代前半にセルフ出版アルバムを制作した日本のアーティストのほとんどがURCレコードや、はっぴいえんど、いつもの赤い風船といったバンドから大きな影響を受けていたのに対し、田中と不破は日本の現代音楽にはあまり興味を持っていませんでした。オリジナルのライナーノーツを書いた友人のクロス氏は、二人を「ビートルズの後継者」と称賛したが、不破氏によると、二人はオランダのバンド、フォーカスのようなプログレッシブ・ロックに興味を持っていたという。その結果、当時の日本のメジャーレーベルや他のプライベートプレスアルバムとは比べものにならないユニークなサウンドが生まれた。
しかし、アルバムのスケールの大きさを見ると、ビートルズの『ホワイト・アルバム』と比較するのは容易だ。それは、プログレッシブな壮大さを持つファズ・アウトしたサイケデリック・ロックから、ボサノヴァ調の優しいフォークソングまで、音域とサウンドの両面で壮大で広がりのある作品だ。しかし、ビートルズとその無限の資金とは異なり、『無題のホワイト・アルバム』は田中の75平方フィート(約7.5平方メートル)の小さなアパートで録音された。独学で「楽しみながら学んでいた」Fuwaは、2台のオープンリール・レコーダーでレコーディングを始め、後に4トラック・レコーダーに切り替えました。正確な収録曲数は不明ですが、自主出版のLP『Untitled White Album』には19曲しか収録されていませんでした。
First & Last Recordsは2023年に『Untitled White Album』をアナログレコードで初めて再発しました。ボーナスLPとして、未発表曲16曲を収録した『Untitled White Album II』が付属していました。この再発盤は即完売したため、今回、アナログレコードには収録できなかった未発表曲6曲を追加収録した、初のCD再発盤で全41曲収録となります!
このリリースは、ゲートフォールドのミニLP CDスタイルのジャケットに収められ、オリジナルのインサートを再現したポスターが付属します。 CD再発盤は、グラミー賞を5回受賞したマイケル・グレイヴスとジョーダン・マクロードによって、カリフォルニア州ロサンゼルスでリマスターされました。
ソングリスト
Disc 1『Untitled White Album』
1. Untitled A-1
2. Untitled A-2
3. Untitled A-3
4. Untitled A-4
5. Untitled A-5
6. Untitled A-6
7. Untitled A-7
8. Untitled A-8
9. Untitled A-9
10. Untitled B-1
11. Untitled B-2
12. Untitled B-3
13. Untitled B-4
14. Untitled B-5
15. Untitled B-6
16. Untitled B-7
17. Untitled B-8
18. Untitled B-9
19. END
Disc 2『Untitled White Album II』
1. Untitled A-1
2. Untitled A-2
3. Untitled A-3
4. Untitled A-4
5. Untitled A-5
6. Untitled A-6
7. Untitled A-7
8. Untitled A-8
9. Untitled A-9
10. Untitled B-1
11. Untitled B-2
12. Untitled B-3
13. Untitled B-4
14. Untitled B-5
15. Untitled B-6
16. Untitled B-7
17. Bonus Track-1 (CD Only)
18. Bonus Track-2 (CD Only)
19. Bonus Track-3 (CD Only)
20. Bonus Track-4 (CD Only)
21. Bonus Track-5 (CD Only)
22. Bonus Track-6 (CD Only)