日本名作映画集 松田定次 作品集 全3巻
1.七つの顔
終戦後、片岡千恵蔵が刀を拳銃に持ち替え、七つの顔をもつ私立探偵、多羅尾伴内=藤村大造に扮し、難事件を解決する。
「あるときは片目の運転手、あるときは……、その実体は…」は歴史的な決めセリフと言えよう。
監督 : 松田定次
出演 : 片岡千恵蔵, 月形龍之介, 轟夕起子, 喜多川千鶴, 服部富子
2.十三の眼
比佐芳武原作・脚本の「名探偵多羅尾伴内(たらお・ばんない)シリーズ」の第二作目の作品である。
クラマックスの名調子、「ある時は…、またある時は…、しかしてその実体は!」を真似して遊んだ方も多いのではないだろうか?
公開当時、批評家の間では評判は芳しくなかったようだが、苦しい戦後復興の最中、多くの観客はその理屈無しの痛快さを歓迎し、映画自体は公開されるや大ヒットを記録して、大映のドル箱シリーズとなった。
戦後復興期を象徴する、まごうことなく快作である。
監督 : 松田定次
出演 : 片岡千恵蔵, 喜多川千鶴, 由利みさを, 斎藤達雄, 奈良真養
3.乞食大将
1952年松田定次監督作品「乞食大将」朝日新聞に連載された大佛次郎の小説を映 画化した作品。
戦国時代の豪傑・後藤又兵衛の生涯を、市川右太衛門の主演で描いた松田定次監督作品。
又兵衛の主人黒田長政役で月形龍之介も出演している。
後に、東映において娯楽時代劇を多数監督し、日本映画の黄金時代を築いた功績者の1人でもあるはずの松田定次監督の評価が一般に知られていないのと同様で、この作品の主人公後藤又兵衛もその生涯は意外と知られていない。
戦国時代誰 もが一国一城の主を目指し、出世だけを望んだ時代に、戦において、数々の功績をあげながら、最後まで自分の意思を貫き通した武将の生涯は心に残る。
監督 : 松田定次
出演 : 市川右太衛門, 藤野秀夫
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