メアリー・ブレア(1911年-1978年)大学在学中に水彩画家としてそのキャリアをスタートさせました。しかし、卒業後は世界恐慌のあおりを受け思ったような仕事につけず、幾つかのアニメーションスタジオを経て1939年にウォルト・ディズニー社に入社しました。そこでウォルト・ディズニーと出会い、彼女の才能が開花。「シンデレラ」(1950)、「ふしぎの国のアリス」(1951)、「ピーター・パン」(1953)など、いくつもの作品のカラー・スタイリストとして、素晴らしい色彩感覚を生かした功績を残しました。米国でも、まだ働く女性には厳しかったと言われる時代に、実に多くの作品に関わり、広く尊敬を集めたのです。大人と子供の目線がミックスされ、見る人に純粋な喜びを伝える彼女のアートセンスは独特な魅力に溢れ、当時のディズニー作品のみならず、現在でも多くのアニメーション作家に影響を与え続けています。その後、フリーとなり絵本の挿絵、舞台のデザイン、数々の商品パッケージや広告の仕事を引き受けました。挿絵を担当した絵本「I CAN FLY」はジョン・F・ケネディ米国大統領(当時)の娘キャロラインのお気に入りだったとの逸話が残っています。また、ウォルト・ディズニーからの依頼でデザインした「イッツ・ア・スモールワールド」は、現在でもディズニーランドの人気アトラクションとして不動の地位を築いています。