フロントマン、スティーヴン・ブロズキーの高く澄んだ声は、ハウリングで荒れる「Stained Silver」や「Breath of Water」に敷かれた巨大な“音のシーツ”にうまく乗っている。本作の最重要作品となる大作は「Seafrost」だ。忍び寄るようなゆがんだベース・ライン、プログレの影響を受けたアレンジを確認できる9分間の作品で、最後の3分間は天国的に美しい、洗われるようなサウンドにたどり着く。本当に驚くべき進歩であり、多くの人にすすめたい偉大なアルバム――『Antenna』は常に前進し続けるバンドの作品だ。