モンスターボケで有名な、ソ連KMZ製の Helios-40 85㎜ f1.5です。
出品は1966年製の初期型で、シルバークロームメッキ、4群6枚構成のダブルガウス型。コーティングを示す赤文字のП(キリル文字のP)の刻印の入った生産数の少ないモデルです。約65年経たクラシックレンズ。使用跡がありますが、稼働品で、外観はピカピカしていて、レンズの綺麗さは格別です。M42マウント。
このレンズ、何といっても大きい。直径8.2cm、長さ9.5cm、重さ942g。レンズと言うより、ガラスの塊です。カメラに付けるとこんな感じです(画像8)。当時、明るいポートレートレンズが流行り、Biotar 75mm f1.5、Summarex 85mm f1.5、Nikkor-S・C 8.5cm F1.5と、皆な大きいレンズですね。光量を増やそうと、口径を大きくしたんでしょう。中でもHelios-40は大きい。
Helios-40は、Zeissの Biotar 75mm f1.5のコピーレンズで、写りは良いはず。デジカメでの実写は画像9、10で、良く写っていると思います。
Helios-40のフィルター径は66mmと珍しいもので、その口径のフィルター3個が付属します(画像4下。一つは被せ型ですが、きちんと被ります)。他、前後のレンズキャップ、少しくたびれているオリジナルの本革ケースが付属します。
<モンスターボケ>
このHelios-40は凄いボケが出ることでも有名です。サイトで曰く:
・ボケモンスターレンズの一つ。ボケの引き出しが多く、使っていてとても楽しく面白い。
・ぐるぐるボケがすごい!酔ってしまいそうなほど。
・ぐるぐるボケを使用しての表現がとても美しい。
・かなり癖がありますが、このレンズじゃなきゃ撮れない!と感じさせてくれる写真が撮れる。等々
私は上手に撮れませんでしたが、このレンズのボケについてのサイトは多数あるので、是非ご覧ください。
<出品のコンディション>
・外観:使用感はがあるが、キズ、アタリ、メッキ剥げ等無く、約65年前のレンズとしては良い状態です。(画像ご参照)
・光学:新品同様の感じの綺麗さです。カビ・ゴミ等無く、透過光でわずかのチリと、微細なキズが僅かに見られます。こんな大きいレンズなのに、65年経てこんな状態なのは、前の所有者がとても大事に使ってきたからでしょう(私は約30年前欧州で購入)。
・絞り:プリセットリング、絞り調整リングともに、正常に開閉します。(絞り調整リングは軽く回りますが、少し擦れる音がします。)
・距離ヘリコイド:少し重たいですが、正常に動きます。レンズが大きいせいかも知れません。
一世を風靡した大口径ポートレート75/85mm f1.5レンズ。その中では購入しやすいHelios-40です。更に、Helios-40のグルグルボケはミラクルボケとも称されます(「Rarest Helios 40 85mm f/1.5 Red П M42 Bokeh Miracle 」なんて書かれたりします)。
かつ出品はガラスも綺麗で、赤文字のП付きの稀少モデルです。
どうぞこの機会をお見逃しなく。
<ご参考1> 付属のオリジナル本革ケースは、出品に合っていません(画像7)。L39マウントのHelios-40もあり、それ用のケースだと思います。その中古を転用して使っていたのでしょう、マウント部のサイズが合っておらず、ケースが少し膨らんでいます。それでもフィルターも入るし、ケースはあった方が良いです。
<ご参考2> Helios-40は、1970年頃 Helios-40-2となり、2010年頃 Helios-40-2 で再発売されます。レンズ構成は同様とのことなので、皆な同じボケになるのか? ガラスの硝材、鏡胴デザイン、コーティングも変わっていってるのに、それでも同じボケになるのかな???寡聞にして分かりませんが。
(2025年 11月 15日 8時 48分 追加)訂正:製造年は1961年でした(画像3上)。1966年と勘違いしてました。