
今となってはとても貴重なヨーロッパデザインのロシニョールのテニスラケット「VECTRIS 9000 DP」を出品します。
DPは、「DYNEEMA Plasma Process」 の略で、DYNEEMAはダイニーマといい、素材の名前になります。
私が中高生の頃、千葉の渋谷幕張高校で「松鷹/山下」というとても強いテニス選手のダブルスペアが居て、
そのどちらかがロシニョールのVECTRISシリーズのラケットを使用していた思い出があります。
6000シリーズ、8000シリーズ、そして今回出品する9000シリーズがあって、9000シリーズが一番上位モデルだったと思います。
ロシニョールはスキーの板や靴を作っていたブランドで、その成型技術の高さを活かしてテニスラケットも作っていました。
たしかフィッシャーとかヘッドもそうでしたよね。
ロシニョールはとにかく特徴的なテクノロジーを搭載してくるブランドで、一番の特徴は、ブリッジが通常のラケットとは違って
ラケット面の内側に曲がっている「コンベックスブリッジ」で、狙いはヨネックスのアイソメトリック形状と同じで、ガットの長さを
均一にすることで面安定性を高めるというものでした。
更にラケットの変形と言うと、普通はボールに押されて後ろへ撓む変形を言い、それを抑えるために硬い素材を使ったりフレームの
厚みを取りますが、ロシニョールが注目したのは面内変形で、ボールが当った瞬間にタテヨコのガットを伝って引張り応力が発生し
フレームの上下左右は内側に引張られる。斜め方向は反作用として外側へ変形する。これを抑えるためにフレームの断面形状を、
上下左右では内側に変形しにくく、斜め方向では外側に変形しにくくしたというのがベクトリスでした。
ちなみにダイニーマは、しなやかで水に浮くほど軽い高強力ポリエチレン繊維で、ケブラーよりも引っ張り強度が高く、耐摩耗性や
耐候性などにも優れます。 よくアウトドアでスリングなどに使用しています。
うんちくが長くなって申し訳ございませんが、30年以上前にプロスタッフミッドやグラファイトなどクラシックなラケットが多かった中で、
ヨーロッパらしい洗練されたデザインとカラーリングの当時の最新テクノロジーが搭載されたこのラケットは、社会人になって
見つけた時には大興奮で、以来コレクションとしてずっと大切に保持していました。
フェイスサイズは110平方インチで、軽量かつトップヘビーでフレーム厚も24ミリくらいありますが、とにかく上記に記載した技術のせいか、
鉄板で打っているようなラケットとよく表現されていました。逆に言えば、110平方インチでも飛びすぎることはなくコントロール性がかなり
高いラケットだと思います。
最近ラケットコレクションの整理をしていて、一番大好きなプレステージシリーズを残す事にしたので、こちらを出品する事にしました。
画像を見て頂ければわかると思いますが、30年以上前のラケットなのに傷もほとんどなくて状態は良い方だと思いますが、一応
使用品であることを十分にご理解・ご納得の上入札頂き、落札後のキャンセル・クレーム・返品はかたくお断りします。
フェイス:110
重量:約293グラム(画像の状態)
グリップ:3(4-3/8)