「Why Is the Road So Long」の冒頭を飾る、ざらついたドブロのリフは、エバーハルトの無駄を削ぎ落とした情熱的なブルース風味のフォークミュージックの真髄を体現している。このアプローチは、批評家から絶賛されたレッドハウス・レコードからのデビュー作『12 Songs of Good and Evil』でも見事に成功しており、今作ではさらにその効果が発揮されていると言えるだろう。ある種のコンセプトアルバムと言える本作では、どの曲も人々を愛する人や望むものから隔て、阻む境界線を探求している。この漠然としたテーマは、エバーハルトに卓越したソングライティングスキルを発揮する十分な余地を与えている。ゆったりとしたグルーヴが特徴の「Fix Your Blues」から、不気味なブードゥーブルースを奏でる「Everybody Knows」(シカゴ・ブルースの巨匠オーティス・ラッシュの亡霊を呼び起こす)まで、エバーハルトは幅広い音楽的領域を網羅している。この旅を終えた時、きっともう少し長い道のりだったらよかったのにと思うだろう