日本の死因の第一位は悪性腫瘍、いわゆる癌であり、実に4人に1人が癌で亡くなっている。癌はDNAの特定部位に幾重もの異常が積み重なって発生するとされており、誰しもがリスクを内包している。発症は偶発的なものであり、高齢者のみならず若者や新生児にも発生、この状況は世界各国共通している。英国のTEENAGE CANCER TRUSTはそういった若年層の癌を改善するための支援慈善団体である。癌患者を対象とした病院の設備を整えたり、専門スタッフの育成などの活動を行なっている。そして資金集めの一環として、主旨に賛同した著名アーティストによりコンサートが定期的に開催されている。オアシスも出演者の常連で、解散後もリアムやノエルはソロ・アーティストとして継続して出演している。ノエルの出演歴は以下の通り。
OASIS 2002年02月06日 TEENAGE CANCER TRUST 2002 & 2003 2CD (bayswater) 2003年03月26日 TEENAGE CANCER TRUST 2002 & 2003 2CD (bayswater)
NOEL GALLAGHER 2007年03月26日 TEENAGE CANCER TRUST 2007 2CD (bayswater) 本作 2007年03月27日 LET YOUR LOVE LAY ME DOWN 4CD+DVD (bayswater) 2010年03月25日 TEENAGE CANCER TRUST 2010 3CD (bayswater) 2010年03月26日 TEENAGE CANCER TRUST 2010 3CD (bayswater)
NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS 2013年03月23日 TEENAGE CANCER TRUST 2013 2CD (bayswater) 2015年03月28日 TEENAGE CANCER TRUST 2015 2CD (bayswater) 予定 2017年03月30日 TEENAGE CANCER TRUST 2024 & 2017 2CD (bayswater) 2024年03月21日 TEENAGE CANCER TRUST 2024 & 2017 2CD (bayswater)
オアシスとしてのTEENAGE CANCER TRUSTへの出演は、2002年、2003年、そして2007年の3度。2007年は『STOP THE CLOCKS』のリリースに伴うノエルとゲムによるアコースティック・ツアーの延長にあり、バンドではなくアコースティックでの出演となっている。ただSTOP THE CLOCKSツアーは、オアシスのベスト盤に伴うツアーなだけに "NOEL GALLAGHER & GEM FROM OASIS" という名義で行なわれていたものの、2007年の TEENAGE CANCER TRUST はノエル単独名義になっている。
2007年のTEENAGE CANCER TRUSTにノエルは個人名義で3月26日と27日の二日間に渡って出演している。二日目27日のコンサートについては、『THE DREAMS WE HAVE AS CHILDREN』というタイトルで新聞の付録としてリリースされていたが、16曲中11曲しか収録されておらず、残りの5曲はダウンロードのみでしか聴けなかった。しかも曲間がことごとくカットされていた。それをノーカットで全曲完全収録したのがbayswaterレーベルの『LET YOUR LOVE LAY ME DOWN』(4CD+DVD)である。このように二日目はサウンドボードで聴くことが出来た。しかし初日26日のコンサートは、これまで一度もリリースされた事がなく、本作で初登場となる。初日のみアンコールで「Strawberry Fields Forever」がセットリストに入っているのも特筆される。
ディスク2の後半は、2007年3月30日マンチェスターにおける、MANCHESTER VERSUS CANCERという、こちらも癌関連のイベントに出演したときのライヴである。癌治療のマンチェスター・クリスティ病院の資金援助のためのコンサートで全10曲を演奏している。先のTEENAGE CANCER TRUSTといい、このVERSUS CANCERといい、ノエルは癌対策に特別な思い入れがあるのだろう。
初登場ライヴである2007年3月26日TEENAGE CANCER TRUSTと、ノエルとゲムが2006年から行なっているアコースティック・ライヴの最終日2007年3月30日MANCHESTER VERSUS CANCERの2公演を収録。いずれのステージにもポール・ウェラーが客演している。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。