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拍卖号：c1212423406

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c1978-1991Villeroy & Boch “Indian Summer”

ヴィレロイ＆ボック
「インディアン・サマー」

世界3大古陶の現代シノワズリ

「インディアン・ツリー」でなく「サマー」

上品に金彩使う。手描きか手塗り？

ドイツ本国製作らしい高品質感

ウェッジウッドを超え世界トップ・レベル

★送料は全国無料。クロネコヤマト便でお送りします。
★常時50点そこそこを出品中。まだ少数ですがフィギュリンも出品中（アンティーク、コレクション > 工芸品 > 陶芸 > 西洋陶磁 > ロイヤル・ドルトン）
★込み入ったご質問やお問い合わせは次のアドレスへメールしてください。（freeway@deluxe.ocn.ne.jp）

　ドイツの名陶「ヴィレロイ・ボック」（Villeroy & Boch）が1978年から1991年の間に製作・販売した「インディアン・サマー」（Indian Summer）のトリオです。これもUSAの未使用品専売店から取り寄せました。「新品からストックされた未使用品」です。箱はありません。

　ヴィレロイ＆ボックは、マイセン、ロイヤル・コペンハーゲンと並び称される「世界３大陶磁器窯」とされます。ウェッジウッドなど英陶はドイツ、フランス（リーモージュ）からは後発なので、これは3大「古陶」という意味でしょう。
　古さと言えば中国と日本が最古でしょうが。何れにしてもヨーロッパでの歴史ということになります。
古い陶磁器窯は人物像から壺や花瓶のような美術品的焼き物を中心に手作り手描きで貴族ら上流家庭のために非常に高価な製品を販売していました。
　ウェッジウッドなど英陶にしても、古くは同様の商売をしていたわけですが、1900年あたりのアール・ヌーボーあたりでは、それまで「格下」であったティー・カップなど茶器あるいはプレートを含むディナーセットが人気の中心になってきます。庶民が磁器を購入できるようになって、陶磁器の食器の生産が中心になる。
　フル・ハンドペイントからアール・デコ時代の転写（下絵）導入で大量生産が出来るようになり、カップ類が大増産できるようになります。産業革命を経て磁器が中心産業の一つになった経済大国の英国が磁器生産をリードするようになった。

　3大古陶の一つであるヴィロイ・ボックは、現在出品者がUSAの店から購入する世界のカップ＆ディナーウェア・メーカーの中で、トップ・クラスです。ドイツ国内製であり、高品質で絵付けも非常に上品。世界の10指、いや5指に入ると考えます。
　何しろ趣味の世界だから、何を持って良しとするかは皆さん一人一人の好みによるのは申すまでもないが、作りの良さとか彩色のセンスは「差をつけて見られる」大事な要素でしょうから。
　ウェッジウッドもロイヤル・コペンハーゲンも現在殆どをインドネシアで製品を作っています。アメリカも含め先進諸国の磁器メーカーの多くがここに製作を委託しています。
　インドネシアでカップを作らせるようになったのはロイヤル・アルバートが最初であったか。世界に派手な花のカップを滅茶多くを売ったアルバートですが、英国製も並行していました。現在は英陶ウェッジウッドも古陶代表のロイヤル・コペンハーゲンも、今の新作・生産はインドネシア。
　インドネシアに外注するのが欧米では当たり前で、今やインドネシアが現代ディナーウェアの最大の生産国です。歴史も重ねていますから、「塗り」など職人の技術も夫々の本国並になっているようです。と言うより、既に本国に職人集団は存在しないのでしょう。

　フルカラーの転写印刷の時代です。少し前に書いたことですが、カップやプレートのエッジから「ゴールド」が消えたのは、そのメーカーから「手描き」或いは「塗り」が消えたということ。ゴールドは今も手塗りなので、この基本作業を続けようとすれば、そのために相当の職人を配置しなければならない。
　単色のラインの下絵を「転写」して筆で色を付ける時代には塗りの職人が多く居て塗りの大量生産を行った。それが専門職だったかどうかは知りませんが、筆でエッジを塗ったり、ウェッジウッドが得意にしたような、「塗りの上にゴールドで描く」芸当も当たり前のように行えたわけです。
　ということで、ゴールドエッジが見られなくなったのはその窯が「フルカラー転写印刷」のみを行っている証左でもあるわけ。

　世界3大古陶の一角というヴィレロイ・ボックの古いカップをeBayなど骨董市場で探しても見つかりません。日本でファンが多いロイヤル・コペンハーゲンは王立窯という由緒が知られていますが、王立であったのは発足からチョンの間であり、その後は民間が経営を次々引き継いできました。現在の経営者、メーカーからすると長い民間の歴史はどうやら無視したいみたいに感じられる。
　
　ヴィレロイ・ボックは多分、この「インディアン・サマー」製作時期頃から停滞期から蘇って再起（？）したのではないか。
　カップや磁器製品で言う「インディアン」は印度のことですが、ドイツ窯もリモージュも、後発の英国窯も。初期には必ずと行っていいほど、「インディアン・ツリー」というモチーフのシノワズリを作ります。先達である中国に挨拶する感じで。「インディアン・ツリー」そして「極楽鳥」などがシノワズリの代表。磁器製作の時代を重ねた英国でも、現在に至ってもシノワズリの「インディアン・ツリー」風の花を描くことが多い。

　再出発に当たって、ヴィレロイ・ボック社は、当たり前のように「インディアン・ツリー」を作ろうとした。しかしちょっと待て。デザイナーから「新時代に、少し捻りを加えるべきでは」。そこで「インドの夏」を「印度の樹」その色彩で表現しようとした。
　凄くいい色です。グリーンやワンポイントの赤。その色調が明るく爽やかで、同調しています。同列と言うか、色彩のレベルが揃っています。
　そして、エッジ周辺の模様を軽やかなゴールドの細いラインが装飾しています。縦にス～っと引いたゴールドは何を表すのか。これは絵の「額縁」のイメージであろう。大げさに捉えれば、このゴールドの縦線は、「屏風」をイメージしているかに見える。古典的ながらこの縦線ゴールドが無ければ何処か間が抜けて見えるかもしれない。非常にクリアな配色といい、デザイナーの力を強く感じさせます。
　古陶とは言え、現在のヴィレロイ・ボックはマルチカラーの転写印刷一辺倒であって、他の有名メーカー同様、ゴールドを使わなくなっています。「塗り」もないわけで、転写印刷を如何に行うかという「コンピューター印刷」技術の競争を行っている。
　「機械化」はそう簡単なものではなく、多重転写によって如何に美しい模様をカップやプレートに描くかとなると、「原画」の描き方なども機械化に沿った独自のノウハウが必要とされ、それに関わる職人（技術者と申すべきか）にも高い能力が要求される。
　技術の国ドイツ国内で続けるメリットは大きいわけです。決してインドネシアの技術者やデザイナーの能力が低いわけではない。しかし多くのメーカーの下請として動いているわけだから、例えばウェッジウッド社だけに独特の個性を与えるという事はなかなか出来ないであろう。

　この「インディアン・サマー」はドイツの名陶にとっては特別な存在であったのでしょう。多分このあたりが「再出発」スタート時であったろうが、現代の優れたデザイナーが巧みに「ニュー・クラシック」を作った。出品者は、この彩色は転写ではなかなか難しいと見ている。
　あっさりした模様ではあるが、このシノワズリは手描きであると考える。最初にして最後であったかは未だ丹念に在庫を調べてないので分かりませんが。
　ここのデザイナーは水彩的な花の絵を得意としています。外部デザイナーのカップも多いが。基本は「爽やか・薄味・水彩的」が基本ラインです。そう捉えるとこの「インディアン・サマー」も同一ライン上にあると見えてきます。

　このトリオのサイズは次の通り。
　カップの高さ6cm、口径8cm。ソーサーとサイドプレートの直径はそれぞれ、14.5cm、16.5cm。ソーサーとプレートは８枚の花びらの輪郭。サイドプレートは中央部まで花が描かれた、所謂アクセント・プレートです。とてもきれい。
　カップはやや大きめだが軽い。ボーンチャイナでしょう。マークは王冠下に「HEINRICH」とあります。窯のある街の名だと思います。INDEAN SUMMERが金文字で刻印されています。　

★Villeroy & Boch★
　ドイツの陶磁器メーカー。フランソワ・ボックにより、マイセンに遅れること39年後の1748年に、現在のフランス・ロレーヌ地方に創業した。その後、ルクセンブルクにも工場を設立し、ハプスブルク家の援助を受け、王室御用達の窯として発展する。
　同社はロレーヌの小さな村オーダン・ル・ティシュで始まり、そこで「鉄工の名人」フランソワ・ボックが 3 人の息子とともに陶器会社を1748 年に設立しました。1766 年、ボックはルクセンブルクのセプトフォンテーヌ近郊に陶磁器窯工場を建設し、運営しました。
　1785年、ニコラ・ヴィルロイはヴァラーファンゲンのファイアンス工房の単独所有者になりました。 1812年、ジャン・フランソワ・ボックはザールラント州の近くの町メトラッハに窯の建設を開始しました。
　1824 年にボックは、彫刻された銅板から磁器への転写印刷を開始しました。
　1836 年 4 月 14 日、ジャン・フランソワ・ボック社は競合他社のニコラ・ビレロワの会社と合併し、ビレロイ & ボック (V&B、単に「VB」ともいう) となりました。1869 年、ビレロイ & ボックは建築用タイルを専門とする最初の工場を開設しました。
　同社はダイニング＆ライフスタイル（旧：テーブルウェア）、バスルーム、ウェルネスの2つの部門で事業を展開しています。タイル部門は 2006 年に別会社 (V&B Fliesen GmbH) になりました。
　2007 年に、Villeroy & Boch AG は V & B Fliesen GmbH の51%をEczacba Holding に売却しました。現在、V & B Fliesen GmbH の株式資本は 2.29% しか保有されていません。

　19 世紀末のメトラッハにおける革新の中には、ジャスパーウェアとパーテシュールパーテの特徴と利点を組み合わせた半透明磁器の一種であるファリスがありました。ファノリスの作成者は、ビレロイ＆ボッホ社の造形部門を率いていた陶芸家、ジャン・バティスト・スタール氏でした。
　ファリスは、パリ万国博覧会 (1900 年) で初めて広く世間の注目を集めました。
　ビレロイ＆ボックは、引き続きドイツに最も広い市場を拠点としています。同社のルクセンブルク工場は2010年に閉鎖された。
　2023年9月、ビレロイ＆ボックがブリュッセルに本社を置く配管設備会社アイデアル・スタンダード・グループを6億ユーロで買収したと発表された。
　ビレロイ＆ボックは現在、グループ会長のフランク・ゲーリング氏が監督しており、家族の子孫によって経営されているわけではない。家族は引き続き同社に雇用される。
1990 年以来、同社はティッカーシンボル VIB3 でドイツの株式市場に上場されていますが、議決権資本は依然として一族の手に渡っています。

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No.108.001.003

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