真作 江戸後期ー明治初期 狩野由信（洞琳）筆 菊花双鶉図 絹本彩色 花鳥画 京狩野 古画 日本画 32.5cm×82cm
真作 江戸後期ー明治初期 狩野由信（洞琳）筆 菊花双鶉図 絹本彩色 花鳥画 京狩野 古画 日本画 32.5cm×82cm 收藏
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本作は、狩野派中興期を代表する花鳥画家・狩野由信（洞琳）による「菊花双鶉図」である。 秋草の菊花のもとに寄り添う二羽の鶉（うずら）と、 その周囲を舞う蝶や蜂を配した静謐な構図は、 江戸後期から明治初期にかけての狩野派花鳥画の典型を示している。 岩絵具と胡粉を重ねた絹本彩色の筆致は非常に繊細で、 筆線の抑揚・彩色の重ね方ともに、由信（洞琳）特有の穏やかで気品ある描写である。 落款「由信筆」および朱文方印を備え、筆跡・構図・色彩からも洞琳本人筆、 またはその直弟子による極めて近しい手によるものと判断される。 【作品解説】 狩野由信（洞琳）は、狩野派の中でも特に花鳥画を得意とし、 装飾性と写実性の融合を追求した絵師として知られる。 本作はその代表的な作風を如実に伝える一幅であり、 構図の静寂と細密な描写により、 秋の情趣と自然の生命感を高雅に表現している。 菊の花弁には胡粉を用い、淡墨の外郭線と金泥を微妙に重ねて立体感を演出。 鶉の羽根には極細筆を用い、胡粉の点描を重ねて柔らかな質感を表現している。 背景の余白には狩野派特有の「静寂の間」があり、 見る者に深い余韻と季節の気配を感じさせる。 【特筆点】 落款「由信筆」および朱文方印、洞琳期作品と一致。 菊・蝶・鶉という組み合わせは洞琳の代表的主題であり、筆法も一致。 胡粉と岩絵具の発色が良好に残り、特に緑青と朱の調和が見事。 花鳥画としての構成バランスが優れ、展示映えする高格調の一点。 洞琳（由信）真筆または直門筆として十分評価できる資料的価値を有する。 【状態】 絹地に経年の小剥落・点状のシミが見られるが、 彩色層は全体に安定しており、発色・線描ともに良好。 胡粉の浮きも極軽微で、保存状態は年代を考慮すれば上位水準。 表具欠損のため本紙のみの状態。修復・再表具によって十分展示可能。 【総評】 本作「菊花双鶉図」は、狩野派の伝統美と近代的な写実感覚を見事に融合させた、狩野由信（洞琳）花鳥画の代表的様式を示す逸品である。 静かに流れる秋風の中、菊の香とともに寄り添う二羽の鶉、舞う蝶と蜂――その一瞬を捉えた筆は、まさに狩野派晩期の詩情そのものである。 明治初期の近代日本画への橋渡しを担った貴重な作例であり、その一瞬を捉えた筆は、まさに狩野派晩期の詩情そのものである。 写真のものがすべてとなります。 詳しい状態については写真を確認してください。 写真追加希望の方は質問より気軽におしゃってください。 |
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