【 半世紀を迎えた女王のワイン  】

「バルバレスコ」は、フランスにおけるブルゴーニュのグラン・クリュ同様に、
最高峰赤ワインと言える存在。長期熟成に耐え得る重厚かつ深遠なその味わいを人は、
「女王のワイン」
と称します。
世界中の誰もがその偉大さを認め、また憧れる最上級イタリアワインの出品です。
使用品種は、イタリアでもっとも高貴な黒ブドウ
「ネッビオーロ」。
色は淡くタンニンと酸が豊かな特徴を持ちます。バルバレスコの規定では、このネッビオーロを最低２６ヶ月（うち９ヶ月は木樽）熟成させることが法律で定められています。こうしてネッビオーロの持つ力強さ、厳格さ、
深遠さが見事に表現されたワインが産まれるのです。
今回出品の「ベルサーノ」は、４００年を超えるワイン関連資料を集めた博物館も所有する、「バローロ」の歴史と発展に多大な貢献をしてきた生産者。「バローロ」の別格的な名手としてその地位を確立してきました。１９７４年の旧ラベルは、まず日本で現存するモノを探せないであろう極めて貴重な１本となります。
１８９４年までこの地区のワインはそれまで全てバローロとして販売されていました。アルバ醸造学校設立者ドミッツォ カッヴァッツァ博士により、バルバレスコは初めて世に送り出されました。
１９７４年のバルバレスコですが、バルバレスコは、１９６６年に初めてD.O.C.に昇格。
現在の最高位D.O.C.Gに昇格するのは１９８０年ですから、
D.O.C.Gに昇格前のバルバレスコという希少性がさらに価値を高めてくれます。
大樽のスロヴェニアンオーク樽による熟成や長期間のマセラシオンによるクラシカルなバルバレスコです。ゆっくりと時間をかけて熟成し、数十年かけて最良のポテンシャルを発揮していきます。素晴らしいコクとアルコールの凝縮感、バルバレスコに欠くことのできないタンニンといった全ての特徴を兼ね備えています。
ヴィンテージチャートを探すのが困難な１９７４年ですが、実は優れたピエモンテにおける
７０年代の当たり年なのです。
熟成は驚きの５１年。ボトルコンディションも極めて良好な５１年熟成の女王のワインです。
左右非対称のボトルもマニアの心をくすぐります。
バルバレスコの中でも長期の熟成を経たこの
上級の「リゼルヴァ・スペシャル」
は、葉巻、なめし革、バラのかぐわしい香りを余韻に長く放ちます。またその味わいには、赤身肉やジビエ、ピエモンテ産ハードチーズ等、イタリアの山岳地帯の料理と抜群の相性を奏でます。
イタリア最北部の山岳地帯に位置するピエモンテ州。 「山の麓」を意味する同州は、北はスイスに西はフランスに国境を接して、その険しい山々の麓からワインや乳製品、ジビエそして白トリュフが採れる
「食材の宝庫」。人口が少ない州にも関わらず、星付レストランが多い「美食の郷」としてもたいへん有名です。
そのピエモンテは、トスカーナ同様にイタリア高級ワインを生み出す銘醸地。単一品種を使用したワインが数多く、ブルゴーニュに近いワイン文化を持ちます。
その中にあってバルバレスコは、フランスにおけるボルドー格付け第一級やブルゴーニュ・グラン・クリュ同様に、イタリア最高級赤ワインの象徴的存在。フランスワインが、近年軒並み価格高騰する中でも、バルバレスコはそのクオリティに反してまだまだ価格は安定しています。
「Vinum Vita Est （ワインそれこそが人生）」。
お祝いワインとしてもこれ以上のものは探せないかもしれません。