
フルート界で「ストラディバリウス」と称されるルイロットの中でも、
特に希少な総巻管仕様・37XX番台(1882年製)です。
製作は名工・三代目 Debonneetbeau。
総銀製・ソルダードトーンホールの逸品で、現存数も極めて少ない名器です。
◆仕様・状態
・製作年:1882年
・シリアル:37XX番台
・総銀製/総巻管/ソルダードトーンホール
・製作:三代目 Debonneetbeau
・メーカーにてオーバーホール済(費用:約12万円)
・音程良好
◆音色・特徴
ルイロット特有の軽やかな音色に加え、総巻管ならではの
重厚で遠鳴りする響きを備えています。
豊かな倍音が含まれ、現代の金銀フルートにはない深みのある音を奏でます。
希少な総巻管ルイロット、まさにフルートのストラディバリウスと呼ぶにふさわしい逸品です。
コレクションとしても、実演奏用としても価値ある一本です。
現役ミュージシャンが一流ジャズクラブ、美術館、CMレコーディング等で実際に使用中です。
音程は442,440で問題ありません。音程は全フルートの中でも良い方だと思います。
(2025年 9月 26日 19時 51分 追加)このフルートの試奏音源を下記にアップしました
https://vocaroo.com/1jIekE3yMAoP
(2025年 9月 27日 0時 10分 追加)ルイ・ロットの歴史の中でも、Debonne et Beau(ドボンヌ・エ・ボー)が工房を引き継いでいた「3代目」の時期(1882年〜1889年頃)に作られた総銀製フルートは、特にその音色の特性で高く評価されています。
この時期のフルートが「歌うような響き」や「優雅な音色」で知られる背景には、いくつかの技術的な特徴と、当時のフランス音楽界の嗜好が関連しています。
Debonne et Beau 製作期(3代目)フルートの主な特徴
伝統への回帰と改良
2代目Villette(ヴィレット)は、調整ネジの追加や機構の一部変更など、機構面で革新的な変更を多く加えましたが、Debonne et Beauは、初代ルイ・ロットの音響的な特徴(特に美しい音色)を尊重しつつ、安定性の改良を行いました。
この時期の楽器は、初代ロットよりも少し肉厚な総銀製巻管(Seamed Tubing)で作られることが多く、これがより豊かで温かい音色を生み出す要因となっています。
初代ルイロットを使用していたポールタファネルの協力により改良された唄口が3代目ルイロットに採用されているとの事です。
(2025年 9月 28日 0時 13分 追加)頭部管を現代のチューニングに合わせるためカットされた可能性がありますが、海外等でもこれにより価値が下がることはありません。