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遠い渚　西村寿行

夜釣りに出たまま行方不明の一等海上保安士・曽我一守が、新潟・直海浜で死体で発見された。海上保安庁特別警備監・関守充介の甥である。関守の妻も１４年前、〓辱されたうえ殺されていた。単身、捜査に乗りだした彼は、自宅を放火され、恋人・由紀を拉致された…。海を舞台に展開する著者得意の長編サスペンス巨編。

レビューより
ずーっと酷い目に遭いながら、たった一人でやっと事件を解決した海上保安官は、最後の最後に恋人とともに、貨物船で北朝鮮に連れ去られる。 その船を発見した海上保安庁は、巡視船を向かわせるとともに、ヘリコプターを飛ばすのだが燃料が持たない。 ヘリで上空から見張り続けていないと、その保安官と恋人は証拠隠滅のため、重しを付けて海に沈められてしまう。 400ページに渉る戦いの緊迫のラスト。次のヘリと巡視船が来るのを待つ間の海保長官とヘリ操縦士の会話が、秀逸。


バイオレンス描写はあるものの、初期の寿行作品のような冒険小説らしさがある作品でしたね。