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【詳細】
初版帯付 真梨幸子 四〇一二号室 ヨンゼロイチニゴウシツ 幻冬舎刊
2012年10月10日初版 幻冬舎発行 帯付
ここは最上階。光浴び、人の眼に曝され、やがて突き落とされる部屋。
「この部屋は本当におすすめですよ。なにしろ、最上階の40階。ここから眺めると、そう。神の視点になった気分を味わうことができるでしょう。ご存知ですか? 人は高いところに常時いると、それだけで自信を得ることができるのだそう……。そうですか、お気に召しましたか。その前に、
お話しておかなければならないことがございます……。心理的かし物件、というのはご存知ですか?」
三芳珠美は人気の女性作家。20代でデビューしてから飛ぶ取りを落とす勢いで売れまくっている。珠美が今もっとも興味があるのは、かつて「裏町」と呼ばれていた、所沢の花街。一軒の古本屋の老婆と話すうちに、所沢という場所に隠された暗い過去に触れ、それを小説に書くことを考える。
一方、根岸桜子は、珠美と同時期にデビューした売れない三十代の小説家。編集者にも、勤め先の人間にも誰にも小説家扱いされず、ぱっとしない毎日を送っている。いつか、自分も売れっ子作家に、そして珠美を超えてやりたい……と思っていたある日、「それ」は起こった。
所沢で大停電。そして珠美が事故に――
数日後。病院の白いベットに横たわる一人の女。意識はあるのに、なぜか身体が動かない。そして、誰も意識があることに気づいてくれない。
ここは何処、わたしは誰。そして私をこんな身体にした「犯人」は一体誰――。
四〇一二号室を巡る、妬みと恨みがひとつに繋がるとき、衝撃の過去と「犯人」が明らかに。
真梨幸子
1964(昭和39)年、宮崎県生れ。多摩芸術学園映画科卒。2005(平成17)年、『孤虫症』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーに。ほかの著書に『女ともだち』『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『初恋さがし』『一九六一 東京ハウス』などがある。
【状態】
経年劣化により若干の焼けは御座いますが、カバーにスレ、傷少なく、概ね良好です。
※天に打跡が御座います。