山水の手がけた傑作スピーカーシステムです!
1974年にリリースされたモデルであり、サンスイ製の専用エンクロージャーにJBLのフルレンジユニットの2115Aを搭載したお品です。
一見してかなりシンプルな構成にもお見受けできますが、設計においては音響用に開発された高気密なパーチクルボードに加え、フロントバッフルには北欧製の樺桜材、補強には米松を採用するなどかなり細部までに拘った内容には驚かされますね!
加えて、ツイーターの2405を追加して2WAY構成に拡張できる設計となっている点もマニアには嬉しい限りです。
その甲斐もあってか、音質において本場JBLの製品よりも評価が高く、今尚絶大な人気を誇る名機かと思います。
また、ユニットにおきましてはJBLの手がけたプロフェッショナル向けの20cm口径の2115Aを採用しております。
一般的にはLE-8Tのプロ用の品番という認識の多いですが、実際には全くの別物であり、パフォーマンスの高さにおいても優れたお品です。
特に、コーン紙にダンプ材を塗布したLE-8Tと異なり、2115ではダンプ材を使用しない軽量コーンであるが故、軽快かつ立ち上がりの良いサウンドが特徴です。
加えて、能率もLE-8Tが89dbであるのに対し、2115は92dbと高い点も大きな違いですね。
無論、マグネットにおきましては、大型のアルニコVマグネットを採用しており、伝統のアルミリボンエッジワイズ巻を採用したボイスコイルなどJBL伝統の設計はそのままです!
エンクロージャーの寸法はW350×H630×D355mmと比較的コンパクトですが、現在のハイエンドモデルと比べても決して引けを取りませんので驚かれる事だと思います!
実際に聴いてみると低域の豊かさと全体的な軽快さは流石であり、JBLの魅力を十二分に引き出してくれていることだと思います。
音楽もJAZZやPOPS・ROCKなども実に活き活きと再現してくれますので、より音楽を熱くさせます!
真空管アンプとの相性も良く、個人的には山水のAU-111などをはじめとした往年の名機と組みたいですね!
デザインにおきましては、往年のオリンパスやL101などを彷彿とさせる組格子のフロントグリルと天然ウォルナット仕上げのエンクロージャーが実に高級感を引き立てます!
重量も19.4Kgとズッシリしており、しっかりとした作りであり、如何に気合が入ったお品であった伺えます。
将来的にはツイーターを追加されることで、よりパフォーマンスも向上しますので、楽しみが絶え無そうです。
そう考えると、伝統的な木工技術とアメリカの最高技術の結晶を凝縮させた魅力的なシステムといえるでしょう。
価格は1974年当時で80000円/1本となかなか高価なお品でした。
インピーダンスは8オームとなります。
コンディションにおきましては、エンクロージャーの角に軽微な修復は見られるものの、目立つキズなどは見られず、年式を考慮すればかなり綺麗なお品かと思います。
出品に際し、ワトコオイルにて綺麗に仕上げましたので、木目の美しさと深みのある色合いは十分にキープしているかと思います。
フロントグリルは写真では分かりにくい軽微な小キズはありますが、欠けは一切見られず、大変に良好です。
また、ユニットにおきましては、エッジが劣化しておりましたので、改めてウレタン製の物に張替えを致しました。
まだ張り替えて間もないので、エージングを重ねていくうちに音質はどんどんと向上いたします。
コーン紙の亀裂や破れも無く良好です!
しばらくは安心してお使い頂ける事だと思います。
この機会にどうぞ!