商品は2004年にキャンパスから発売された『間に合わなかった傑作機』から『試製閃電』になります。
カプセルはありません。開封済みの未組立品になります。パーツは全部揃ってます。リーフレットは欠品してるので写真に写したカラーコピーを付けます。
閃電は制式採用される事無く、試作機の段階で開発中止になったのですが、その時点で『試製閃電』の名を与えられてる為か、日本海軍の試作機のカラーリングである黄色で塗られてます。
◆趣味の試製閃電
閃電は名前に漢字の『電』が入ってるので、局地戦闘機(=迎撃戦闘機)になります。紫電改や雷電、震電などが同じく『電』が入ってるので、局地戦闘機です。
局地戦闘機(局戦)の任務は拠点防衛です。
攻撃に来る敵の大型爆撃機を迎え撃つのが任務なので、戦闘機とは求められる性能が異なります。
迎撃が主任務なので航続距離は短くて良く、空中格闘戦の能力は不要。
その代わりに速度と上昇能力が求められ、大型爆撃機を撃墜する為の大口径機関砲を搭載してました。
アメリカが高度8000mを飛ぶ爆撃機B-17フライングフォートレスを持ってたので、これを撃墜する為、昭和14年に『14試局地戦闘機(※雷電)』の開発が三菱に命じられます。
しかし、開発途中で開発主任の堀越二郎技師(※零戦の開発者)が過労で倒れたりと色々あったので、完成したのが昭和18年(遅すぎる)。
しかも雷電は、様々な問題のある欠陥機でした。
そこで雷電の後継機として『17試局地戦闘機』の開発が、三菱と中島に命じられます。
海軍の要求性能は、
①最高速度は時速704km。
②高度8000mまで15分以内に到達できる上昇能力。
③30mm機関砲×1、20mm機銃×2の重武装。
当然ですが3年前に開発命令の出た雷電を上回る高性能が求められました。
通常の形の飛行機で海軍の要求を満たすのは難しいので、三菱の技術陣はP-38の様な中央にコックピットのある双胴戦闘機を開発します。コックピットの後ろにエンジンとプロペラがある推進式なのが特徴です。
飛行機はプロペラが機体の前にあっても後ろにあっても飛べます。現に世界初の飛行機であるライト兄弟のライトフライヤー号はプロペラが後ろ向きに付いてます。アメリカの核爆撃機B-36ピースメーカーもプロペラが後ろ向きです。
実はプロペラが後ろ向きの方が、推進効率が良くスピードが出るのです(反面、パイロットが脱出する時にプロペラに巻き込まれて死ぬという最大の欠点があるので、世界中の戦闘機で後ろ向きプロペラは採用されてません)。
更にプロペラを胴体の後ろに付ける事で、コックピットの前が空っぽになる為、ここに大口径機関砲を積めます。
こうして試作段階まで来た17試局地戦闘機は、昭和18年夏に海軍機への名称付与法が改正された為、新たに『試製閃電』の名称を与えられ、開発が続けられます。制式採用されたら『試製』が取れて『閃電』になるはずでした。
しかしながら、搭載予定のエンジン(三菱製ハ43四一型1650馬力)の開発がうまく行かなかった事と、水平尾翼に異常振動が発生(プロペラの風を直に受けるから)。
で、試製閃電の開発が難航してる間に、九州飛行機で開発中だった震電の開発うまく行ってた上に超高性能機だったので、もう震電で良いや~。という事になり、昭和19年10月に試製閃電の開発は中止されました。
閃電も格好良いんだけどなあ・・・。残念!