
SpydercoのParamilitary 2 型名C81GPDGY2、Carpenter社のMAXAMET鋼を使用してsprint run(限定生産)された折り畳みナイフの美品です。
国内の販売店で購入後、テスト的に紙を切った後ブレードに薄く油を塗って保管していたものです。自分で研いだりはしておらず、ファクトリーエッジのままです。
実測寸法は下記になります。
刃長:約9cm
ハンドル長:約12cm(折り畳み時も同じ)
重さ:約111g
鋼材のMaxametは、航空・軍需用を主とする特殊鋼製造会社である米国Carpenter社が開発した、タングステンカーバイドを主体とした高硬度の粉末冶金鋼です。HRC68程度とSpyderco社のナイフの中で最高レベルの硬度が実現されており、高級ナイフで一般的なCrusible社のCPM S30VがHRC60~62、MagnacutがHRC64前後であることと比較し極めて高い硬度となっています。
Maxamet鋼の主要な成分は、タングステン13%、バナジウム6%、コバルト4.75%、炭素2.15%、鉄が60%強、です。タングステンカーバイド&コバルトバインダーの工具用特殊超合金と比較すると、鉄を主なバインダーとしている点が異なり、そのことで強度(靭性)にも考慮がされた鋼材となっています。Carpenter社は本鋼材が民生用ナイフにも使えるのではないかと考え各ナイフメーカーにサンプルを送ったようですが、鋼材の熱処理の研究に長けたSpyderco社だけがナイフとして製品化できた、とも言われているようです。90年代なかばに世界で初めて粉末冶金鋼で量産ナイフを作ったSpydercoならでは、と言うことでしょうか。
硬度が高い反面、酸化クロムの皮膜を形成することで腐食を防ぐクロムの含有量が少ないためにS30VやMagnacutなどのステンレス鋼よりも錆びやすい点、CPM 3VやAUS-8や14C28Nなどブッシュクラフト向きの強度(靭性)に重点を置いて設計製造された鋼材よりも折れたり欠けたりしやすい点、がデメリットとして存在します。どのようにナイフを使うか、に応じた適材適所ということになりますが、段ボール箱をひたすら切ってバラしていくというような用途ではほぼ最強で、研がなくてもいつまでもスパスパ切れるのだと思いますが、刃先でこじりながら木材に穴を開けていくというような用途には向いていないかと思います。
ハンドルのスケールは、グレーのG10です。クリップは購入当初から右利きtip upについておりそのままになっています。
ハンドルの背側のコンプレッションロックを使い片手でスムーズに開閉可能です。5枚目の写真のように、折り畳み時の刃のセンタリングも問題ないと思います。
元箱や取説類、ステッカーなど購入時の同梱物一式揃っています。箱については、元々少し痛んでいましたのでご了承ください。
実用にするつもりで購入したのですが、S45VNのParamilitary 2を購入してしまいずっと飾りになっていました。最高強度のParamilitary 2として家宝にするもよし、ガンガン使うもよし、だと思います。海外の方のレビュー動画などを見ると、折れやすいとは言うものの、一般的な使用方法ではほぼ気にする必要はなさそうにも見えます。
より多くの方に関心を持っていただければ、と思い開始価格を低めに設定させていただきました。写真をよくご覧いただき、ご納得の上でぜひご入札ください。
スムーズなお取引き実現のため、恐れながらご入札いただいた方の過去の評価履歴を拝見させていただいております。落札者都合キャンセルが1回でもある方、悪い評価が3%程度以上ある方、他、気になる評価コメントがある方からのご入札については、お断りなくご入札を削除させていただく場合があります。よろしくご了承ください。
(2025年 6月 11日 22時 24分 追加)上の説明文中、Maxametと比較したS30VおよびMagnacutの鋼材メーカーをCrusible社と書きましたが、typoです。正しくはCrucible社でした。失礼しました。