そして活動20 周年となる2019 年、遂に10 年ぶりとなる4 作目にしてJoshua1 人となってからは初となるアルバム『Dreams Are Not Enough』を完成。もちろんこれまでの作品の延長線上であるが、10 年間の経験を経て、よりアップグレードした作風をみせている。
本作は損失、怒り、そして年齢についてのストーリーについて書かれており、Telefon Tel Aviv らしいハイパーモダンなサウンド・デザインとスモーキーで夜を想起させるエモーションは、より鮮やかになった印象。ダークでメランコリックなムードが漂う中、アブストラクト且つ瞑想的な世界観にミステリアスなモダンポップ・テイスト〜インダストリアルが融合し、蒸気のようなメロディとヴォーカル、そして複雑なリズムと反復を操りながら構築される、最新のTelefon Tel Aviv サウンドに固唾を呑むこと必至。図太く重厚でありながら、無駄が削ぎ落とされたストイックで孤高のサウンド。その美しくエモーショナルな音像に否応なしに引き込まれる。