バージニア州リッチモンドを拠点に、古くは1980年代から活動を続ける男性SSW、スコット・ブルックマンが自主制作で2007年と、2013年に吹き込んだ知る人ぞ知る傑作『A Song for Me, A Song for You』と、『Smellicopter』の楽曲を、プロダクション・デシネが独自にコンパイルした、まさにベスト・オブ・スコット・ブルックマンな1枚。ビートルズ、ブライアン・ウィルソン/ビーチ・ボーイズ辺りの60年代のハーモニーポップ/サニーポップへの愛情溢れる初期の楽曲で聴かせてくれたポップマニアぶりと、その音楽性の幅を一気に広げ、ボサノヴァ、ジャズ的なアプローチで聴かせる楽曲がバランス良く並んだ、まさに“ポップ”な名曲達が詰まっています。とにかく、彼のソングライティングのクオリティの高さと、ハートウォーミングな歌声がステキ過ぎる、普遍の傑作です。
優しく語りかけるような「01. Tim E. Redmond」から彼の歌心全開で良いのですが、アルバムの中でも絶妙のアクセントとなっている「02. This Little Samba」、「07. Bossa Brookmania」などのボサノヴァ曲、軽快なピアノポップ「04. The first assault upon my day」、「15. (Don't You Want To Know) The Way It Feels To Lose?」、「18. To find your happiness」、「13. Getting Involved」に、アコギのカッティングも軽快なギターポップの「12. Very Anne」、「16. Inspected by Curly」、SSWとしての魅力をたっぷりと感じさせるメロディラインが印象的な「03. Daisy Von Zeppelin」、ジャジーな「05. Bottoms up」、「10. Iceberglar」、ハワイアン風の「20. Weirdos」に、しっとり聴かせる「19. Real Estate」など、枚挙に暇が無い感じの作品で、アルバムとして全編通じて何度も楽しめます。