
ヴェルディ 歌劇 運命の力 初演版 1862年版 未開封 廃盤? ゲルギエフ マリンスキー劇場 ゴルチャコーワ グレゴリアン プチーリン アブドラザコフ ボロディナ 1997 フィリップス
ヴェルディの“運命の力”の初演版です。1862年にこの地の この劇場で初演された際の版での演奏で、初演の地にふさわしい…また他処との差別化も見据えた とても賢明な選択だと感心します。近年 音楽界では “作曲家の意図” という言葉が盛んに使われ 初演時の“風”を尊重する傾向が見られます。オペラでも それは重要なファクターで、作曲家は注文により 初演地の風土 気質 劇場の能力 などをすべて織り込んで作曲を行なっていますので、そこに立ち還らないと作曲家の真意は分からずじまいになる事は必至です。この曲も のちに改訂が行われて現行版が成立する訳ですが、初演版を聴くことで どこを問題視して改訂が行なわれたのかが探れて面白いです。
1997年の録音。当時ゲルギエフは “ボリス”の異なる2版を同時に録音するなど オペラの異版の演奏に熱心でした。どれか一つに限定するのではなく 他の版にも目を向けることは戦略としても有効だと感じます。
この録音の一年後には 同じ顔触れでの舞台上演も行われていて そちらもDVDで視聴可能です。装置まで初演の復元だったり 歌手がクマみたいだったりと、何もかも面白くて ニンマリする出来です。“古風で地味だ” と言ってしまえばそれまでですが、“地方色を前面に押し出した” これはこれで見事な作戦で、立派な成果だと思いました。
やはり 全体的に少しドロリとして陰気な雰囲気があります。ロシアでの演奏であることを差引いても、これは初演版の持ち味なのだと感じます。当然ながら 曲の異同にも興味が湧きます。“ほぼ同じ” ではあるものの、一方で “前奏曲” が短く極あっさりだったり プレチオジッラが知らない曲を歌ったり アルヴァーロがヴェルディの初期オペラ風の大アリアを歌ったり そして最後は死んでしまったり…と未知の部分も散見されて、“異版” を聴く楽しみは満載です。
ゲルギエフは 大柄で余裕のある指揮ぶりで、音楽が充分に手の内に入っている印象です。歌手は一様に暗めの発声ながら パワーは充分で、これまた初演の雰囲気を宿して 聴きものだと思いました。
なにぶん 初演版ならではの面白味は充分で…また そう感じさせたらこの企画は大成功と言える訳で、まだお聴きにならない方には 是非ともとお勧めしたいと考えます。
ジャケットに “リブレットはオンラインで入手可能” との注記がありますが、現行版とあらかた同じで 普通に聴く分には 必要性はそれ程には感じられないと思います。
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